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「年月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
。保吉は「はあ」と答えたぎり、茫然と罫紙へ目を落した。罫紙には叙任《じょにん》の年月ばかり細かい楷書《かいしょ》を並べている。これはただの履歴書ではない。文官と....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
語《ことば》にては「あぼくりは」とも云うべきを、あらあら下《しも》に記し置かん。年月《ねんげつ》のほどは、さる可き用もなければ云わず。とある年の秋の夕暮、われ独....
片信」より 著者:有島武郎
。けれども考えてみると、僕がここまで辿《たど》り着くのには、やはりこれだけの長い年月を費やす必要があったのだ。今から考えると、ようこそ中途半端で柄にもない飛び上....
星座」より 著者:有島武郎
黄ばんだ葉に鬱蒼《うっそう》と飾られて……園はこの樹を望みみると、それが経てきた年月の長さを思った。その年月の長さがひとりでにその樹に与えた威厳を思った。人間の....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
底まで沈み切った十年の月日――それは短いものではない。たいていの人はおそらくその年月の間にそういう生活からはね返る力を失ってしまうだろう。世の中を見渡すと、何百....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
いつまでも暗い影を投げていた。彼はいつか彼等の中に人生全体さえ感じ出した。しかし年月はこの厭世主義者をいつか部内でも評判の善い海軍少将の一人に数えはじめた。彼は....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
s Siculus)によって次のように述べられている。『彼ら(カルデア人)は長い年月の間星辰を注目してきて、しかしてあらゆる他国民よりも仔細にその運動と法則とを....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の時代にいろいろな人によって書かれたものです。私はそれを不思議に思うのです。長い年月かかって多くの人が書いたお経に大きな矛盾がなく、一つの体系を持っているという....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬ……。 成るべく話の筋道が通るよう、これからすべてを一と纏めにして、私が長い年月の間にやっとまとめ上げた、守護霊に関するお話を順序よく申上げて見たいと存じま....
狂女」より 著者:秋田滋
れぬ水のように、一ところに澱んだままになっていたのだろうか。 十五年という永い年月の間、彼女はこうして一間にとじ籠ったまま、じッと動かなかった。 戦争が始ま....
初雪」より 著者:秋田滋
温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、幾世紀かの年月を閲するうちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまったように思われるのだった。....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
も似ている。わたしがスリーピー・ホローの眠たげな森かげを歩いてから、もういくたの年月がたっているが、今もやはり、そのころと同じ樹木が茂っており、同じひとびとがそ....
活人形」より 著者:泉鏡花
え出でし事もあれど、狂気の沙汰とて取上げられず。力無く生甲斐無く、漣や滋賀県に佗年月を過すうち、聞く東京に倉瀬とて、弱きを助くる探偵ありと、雲間に高きお姓名の、....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
任官とともに山形の歩兵第三十二連隊から若松に転任した私は、私の一生中で最も愉快な年月を、大正四年の陸軍大学入校まで、この隊で過ごしたのである。いな、陸軍大学卒業....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
はない。僕はこの界隈に住んでいた大勢の友だちを覚えている。しかし僕の友だちは長い年月の流れるのにつれ、もう全然僕などとは縁のない暮しをしているであろう。僕は四、....