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年歯
「年歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いがいしく立ち上がりざま、すぐとお勝手へおり立って、まだおそらく十か十一くらいの
年歯《としは》だろうと思われるのに、手おけを片手にしながら、さっさと井戸ばたへ出....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
駈《か》けつける。死んだ人のうちには、御爺さんも御婆さんもあるが、時には私よりも
年歯《とし》が若くって、平生からその健康を誇っていた人も交《まじ》っている。 ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
一 二人は人間として誰しも利害を感ずるこの問題についてしばらく話した。けれども
年歯《とし》の違だか段の違だか、松本の云う事は肝心《かんじん》の肉を抜いた骨組だ....
「こころ」より 著者:夏目漱石
つ腹から生れた姉弟《きょうだい》ですけれども、この姉とKとの間には大分《だいぶ》
年歯《とし》の差があったのです。それでKの小供《こども》の時分には、継母《ままは....
「明暗」より 著者:夏目漱石
りにしなければならないように考えるんだからね。そりゃ御父さんの三十もおれの三十も
年歯《とし》に変りはないかも知れないが、周囲《ぐるり》はまるで違っているんだから....
「道草」より 著者:夏目漱石
ったので、「フラウ門に倚《よ》って待つ」といって彼をひやかした。しかし御縫さんは
年歯《とし》からいうと彼より一つ上であった。その上その頃の健三は、女に対する美醜....
「初秋の一日」より 著者:夏目漱石
るほど若く見えるはずだと合点《がてん》が行った。実をいうと今まで腹の中では老師の
年歯《とし》を六十ぐらいに勘定《かんじょう》していた。しかし今ようやく五十一二と....
「階段」より 著者:海野十三
り出さなかったなら、今ごろは「キャナール線の量子論的研究」も纏めることができて、
年歯僅か二十八歳の新理学博士になり、新聞や雑誌に眩しいほどの報道をされたことであ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
の手紙がまいりました。なれどもお竹は案じられる事で、 竹「何卒して弟に会いたい、
年歯もいかない事であるから、また梅三郎に欺かれて、途中で不慮の事でも有ってはなら....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
スボーン夫人であることが第一の難点だったのである。我儘《わがまま》な一人息子は、
年歯《とし》三十にして初めて自活――それもファニイとその子供迄養う決心をして、英....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
に武勇のみでない一鉄だから人を鑑識する道も知っている。ヤ、こりゃ偉い物だぞ、今の
年歯で斯様では、と感歎《かんたん》して、畏《おそ》るべし、畏るべし、此児の行末は....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
白毛を発見しなかったら、これを博士と認知するのが相当困難であったろう。竹田博士は
年歯僅かに四十歳であるのに、不精から来た頤髯を生やしていたが、どういうものかその....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
長――鼻先から尻尾の端まで――幾らいくら。牛性兇暴にして加徒力教の洗礼を拒否し、
年歯二歳にして既に政府運転の急行列車に突撃を試みたることあり。ようやく長ずるに及....
「正午の殺人」より 著者:坂口安吾
文作は一礼すると泡をくらッて丘の道を登りはじめた。なぜかというと、かの女性が
年歯二十一二、驚くべき美貌であったからである。 「おどろいたなア。神田通いの人種....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
いずれにしても江戸川兄の出現はあらゆる意味に於て喜ばしい限りであり、しかも同兄は
年歯僅に三十二、今後益々発展し生長せんとしているのである。まことに、エドガア・ア....