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「年紀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年紀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
い」 微笑《ほおえ》みつつ女子《おんな》はかく言い捨てて乗り込みたり。 その年紀《としごろ》は二十三、四、姿はしいて満開の花の色を洗いて、清楚《せいそ》たる....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に酸漿を含んでいる。…… 「早瀬の細君はちょうど(二十)と見えるが三だとサ、その年紀で酸漿を鳴らすんだもの、大概素性も知れたもんだ、」と四辺近所は官員の多い、屋....
海異記」より 著者:泉鏡花
たばかりで、葺いた茅さえ浅みどり、新藁かけた島田が似合おう、女房は子持ちながら、年紀はまだ二十二三。 去年ちょうど今時分、秋のはじめが初産で、お浜といえば砂さ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
しょう。) で、地獄の手曳め、急に衣紋繕いをして下りる。しばらくして上って来た年紀の少い十六七が、……こりゃどうした、よく言う口だが芥溜に水仙です、鶴です。帯....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
まお道さんが下りました、草にきれぎれの石段を、攀じ攀じ、ずッと上って来た、一個、年紀の少い紳士があります。 山の陰気な影をうけて、凄いような色の白いのが、黒の....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
あ。」 「美しい衣服じゃが買わんかね。」と鼻をひこつかす。 幾歳になる……杢の年紀が分らない。小児の時から大人のようで、大人になっても小児に斉しい。彼は、元来....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
人上りだから主人といおう、県庁に勤めた頃、一切猟具を用いず、むずと羽掻をしめて、年紀は娘にしていい、甘温、脆膏、胸白のこの鴨を貪食した果報ものである、と聞く。が....
縁結び」より 著者:泉鏡花
ても、こっちは含羞で遁げ出したように覚えている。 だから、そのお嬢さんなんざ、年紀も違うし、一所に遊んだ事はもちろんなし、また内気な人だったとみえて、余り戸外....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
じりと油が減って、早や十二時に垂とするのに、客はまだ帰りそうにもしないから、その年紀頃といい、容子といい、今時の品の可い学生風、しかも口数を利かぬ青年なり、とて....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、何てこッてしょう、どうした婆さんでしょうねえ。」 されば叔母上の宣うごとし。年紀七十あまりの、髪の真白な、顔の扁い、年紀の割に皺の少い、色の黄な、耳の遠い、....
狂女」より 著者:秋田滋
なる不幸で頭が変になってしまったんだね。話はすこし昔にかえるが、この女は二十五の年紀に、たった一月のうちに、その父親と夫と、生れたばかりの赤ン坊を亡くしてしまっ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
年紀は少いのに、よっぽど好きだと見えて、さもおいしそうに煙草を喫みつつ、……しか....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
縁日 一 先年|尾上家の養子で橘之助といった名題|俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
みながら思いましたが、そうではない。いかにも、気がつくとその頃の俳諧の修行者は、年紀にかかわらず頭を丸めていたのです――道理こそ、可心が、大木の松の幽寂に二本、....
活人形」より 著者:泉鏡花
見せり。 叔母には下枝、藤とて美しき二人の娘あり。我とは従兄妹同士にていずれも年紀は我より少し。多くの腰元に斉眉かれて、荒き風にも当らぬ花なり。我は食客の身な....