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「年老い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年老いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
のその時の御姿は、――そうです。世間に伝わっているのは、「童《わらわ》かとすれば年老いてその貌《かお》にあらず、法師かと思えばまた髪は空《そら》ざまに生《お》い....
星座」より 著者:有島武郎
迎えに立っていった。清逸は膝の上に新井白石の「折焚く柴の記」を載せて読んでいた。年老いた父が今|麦稈《むぎわら》帽子を釘《くぎ》にひっかけている。十月になっても....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の中をくぐりながら、半死のありさまで進んで行った。 君は始めて気がついたように年老いた君の父上のほうを振り返って見た。父上はひざから下を水に浸して舵座にすわっ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
彼の懐しい裏長屋は、影すら見えなかった。そこには、用務員をしている父|亀之助と、年老いた祖母と、優しい母と、ダンサーをしている直ぐ下の妹|舟子と、次の妹の笛子と....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
時。 現代。 場所。 海底の琅※殿。 人物。 公子。沖の僧都。(年老いたる海坊主)美女。博士。 女房。侍女。(七人)黒潮騎士。(多数) 森厳藍碧....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
い……泣くな。」 と翁は、白く笑った。 「大慈大悲は仏菩薩にこそおわすれ、この年老いた気の弱りに、毎度御意見は申すなれども、姫神、任侠の御気風ましまし、ともあ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
れば、妻子がとびついてくるだろう。弟や妹が、御馳走をもって迎えにでてくるだろう。年老いた両親は涙をだしてよろこぶだろう。その眼の前へ、この飛行島で稼ぎためた金を....
不周山」より 著者:井上紅梅
い軍旗をひらめかして、まっしぐらに女※氏の腸」と書き換えた。 あの海岸に落ちた年老いた道士も、幾千代永らえたが、死際になって、仙山が大きい鼈の背に載せられたと....
狂女」より 著者:秋田滋
時でもなければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱり出すようなことはしなかった。年老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、小さ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ジェームスは死んだ。後家さんのマーガレットは下宿人を置いて暮しを立てておったが、年老いてからは子供のミケルに仕送りをしてもらい、一八三八年に歿くなった。 かよ....
寡婦」より 著者:秋田滋
この遊びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未婚の女でとおして来た年老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るのだった。 もうひとつ、こわいながらも彼のたのしみだったことは、冬の夜ながを年老いたオランダ人の女房連とすごし、彼女たちが炉ばたで糸をつむぎ、焼き林檎が炉に....
親ごころ」より 著者:秋田滋
だ自分の兄にも似ていた。彼がおぼえている、まだ若かった頃の父親の顔にも似ていた。年老いた夫婦は胸が一ぱいになって、もう口が利けなかった。三人連れの男女が降りて来....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
大州はみなわが住居として、一生涯北には馬にのり、南には車にのってかけめぐりたい。年老いてようやく古くさい学問の枠を脱け出して、役に立たぬ書を読むことなく、今に役....
」より 著者:岩本素白
た蒔絵をしてきたのを、頼んだ人が鶯じゃないんですね、と訝しそうな顔をした。すると年老いた師匠が、鶯でないところが面白いんですよ、と言ったのは、必ずしも遊芸の師匠....