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「年貢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年貢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇遇」より 著者:芥川竜之介
っている通り、松江《しょうこう》に田を持っている。そうして毎年秋になると、一年の年貢《ねんぐ》を取り立てるために、僕自身あそこへ下《くだ》って行く。所がちょうど....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
で、百姓の困苦一方ではなかった。家老たちは、袖を連ねて忠直卿の御前に出《い》で、年貢米の一部免除を願い出《い》でた。が、忠直卿は、家老たちが口を酸《す》っぱくし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の助太刀で、兄のかたき与右衛門を天王橋で仕留めた一件です。与右衛門は村の名主で、年貢《ねんぐ》金を横領したとか云う捫著《もんちゃく》から、その支配内の百姓十七人....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
じゃ、もう松葉食うとるだ。 およし 民百姓がこなに苦しんどるのに、お上じゃまだ御年貢を取るつもりでいるんじゃてのう。 甚作 御年貢米の代りに、人間の乾干しを収め....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
鶴の一声利目があるなあ。だが貴様には不思議だろう。俺の素性が解るめえ。……貴様も年貢の納め時、首を切られて地獄へ行き、閻魔の庁へ出た時に、誰に手あてになったかと....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
たな!」 「やい、神妙にお縄をいただけ!」 「…………」 「夜叉丸! 手前も……年貢の納め時だ!」 「馬鹿め! 人足! 捕れたら捕れ!」 小間使いお菊の女勘助....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
で。うッかり甘い顔を見せると、御馳走政略に載せられて、忽ち田畑の凶作を云い立て、年貢御猶予の願いと出て来る。その他いろいろ虫の好い願いを持出すから、決して油断は....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
げをしようとする老人を助けました」 「うむ」 「何でも、村の貧しいお百姓達が、御年貢を収めないので、庄屋殿が入牢している。それを救い出すために、村中が五十両と云....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
ちょうど秋の収納が大方終って、儀作自身のような小作階級のものは、例によって地主へ年貢米や利子払いを殆んど済ましていたし、その他、肥料屋の払いや、村の商い店――油....
」より 著者:犬田卯
地無尽会社、その他からの借財は返せなかった。三円五円という村内の小作人への貸金、年貢の滞り――それらは催促してみたがてんで埓があかず、いや、それらの小農民たちの....
夜光虫」より 著者:織田作之助
たと言えやしない。 「正直に云ったらどうだ。自首だろう……?」 「…………」 「年貢の収め時――という古くさい言葉があるが、君もそこへ気がついたのは莫迦でなかっ....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
を使ったことであろう。 基衡はまた藤関白忠実の荘園を管理しておったが、忠実その年貢の増徴を命じて多年悶着を重ねておった。久安四年に忠実がそのうち高鞍・大曾禰・....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
弟であるから、官位の昇進を他所に見て、いわゆる世を捨てたところで、荘園からあがる年貢は何のかわりもなく生活を支えてくれる。それに時代は地方官にでもならない限り、....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
にも本村に接して出村を設け、天保十四年十一月には、天部領小稲荷の地を年二十一石の年貢で天部村から租借し、建家の承諾を得てここにも発展した。ここに於いてもと僅々八....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
なり高価に取引きされた。遠州S村T氏所蔵の文書にこんなのがある。 一、此度|申御年貢差詰り、代々持来り候牛馬引捨の場所比木村勿論朝比奈村上十五日件 天保七申十....