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「年輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
外、そういう方面から有益な手掛かりを得られないとも限らないからである。 樹木の年輪や、魚類の耳石の年輪や、また貝がらの輪状構造などは一見明白な理由によって説明....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
二丈八尺、と測られた神代杉がそそり立って、割合に背丈は高くないけれど、一つ一つの年輪に、山の歴史の秘密をこめて、年代の威厳が作り出す色づけと輪廓づけを、神さびた....
『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
的なもので同じ現象が見られていると思う。女には しかしその時期の間に 少くとも年輪は一個ふえた 事実が感じられているのは意味ふかいことである。 すべての詩....
序(『伸子』)」より 著者:宮本百合子
上旧作になった。然し、この作品は自分の生活と密接な関係のあったものだし、作の上に年輪のように発育の痕跡が現れて居る点、自分は愛を感じて居る。 昭和二年十一月二十三日 〔一九二八年三月〕....
あとがき(『朝の風』)」より 著者:宮本百合子
は入れていなかった作品をも今度はあつめておく心持になった。見ようによっては一つの年輪がここにあるとも云える。一本の樹木も成長してゆく過程には、越した冬の寒さや雪....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
でありながらも守られつつあるというような複雑さです。丈夫な樫の木のように、歴史の年輪を重ねて、真の健全性のうちに歴史的な主語を高めるということは、嵐のような精神....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
其はそんなに急にいくつも通過し得ないでしょうね、人間精神の変ってゆくキメは緻密で年輪はかたいものですものね、本来は。自然は人間が、持続しそこから発展し得るように....
山の秋」より 著者:高村光太郎
球に夢中になったりする。旧盆には農家で供養をいとなむ。わたくしの居た部落でも、毎年輪番で当番をきめ、どこかの家に花巻町の光徳寺さまの和尚さんを招き、部落中の人が....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
、由良は、年がいもなく大きな声をだした。芳夫は、子供のままに発達をとめたような、年輪不明の顔に薄笑いをうかべながら、 「おばさまが、それほどオクレているとは、思....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
造型美術的完成の境地に逃げ込もうとする文学である。そして、彼等はただ老境に憧れ、年輪的な人間完成、いや、渋くさびた老枯を目標に生活し、そしてその生活の総勘定をあ....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
。ただ僕のいいたいのは、これらの文学、つまり、末期の眼を最高の眼とする、いわゆる年輪的な心境の完成を目指した文学を、最高の文学的権威とする文壇の定説が、変な言い....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いるその政治的|聚落も、いつか百年余の月日をここにけみしていた。 夜はしらむ。年輪をかさねた六波羅松の松の奏でに。 近くの八坂ノ神の庭燎、祇園の神鈴など、や....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の大器が、百戦百難の風雪を凌いで、年もようやく五十路に入り、いよいよその風貌にも年輪の威を加えてきたものとみな頼もしく見ていたのである。 しかし尊氏は変った。....
落日の荘厳に似る」より 著者:吉川英治
く人情もろい人であった。そのくせ古武士さながらのあの風貌と気節は、明治初年生れの年輪どおりもっともよい意味での明治人の象徴であった気がする。 いちどは、築地の....