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年長
「年長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
。単に著者の個人性が明らかに印象せられたというに止まりはしないだろうか。
私は
年長の人と語るごとにその人のなつかしい世なれた風に少からず酔わされる。文芸の上ば....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
な大きな声を出して、「やあ失敬」と声をかけた。
本間さんは何だかわからないが、
年長者の手前、意味のない微笑を浮べながら、鷹揚《おうよう》に一寸《ちょっと》頭を....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ように、思兼尊《おもいかねのみこと》だの手力雄尊《たぢからおのみこと》だのと云う
年長者《ねんちょうじゃ》に敬意を払っていた。しかしそれらの尊《みこと》たちは、格....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ことにしているんだから、今日もまあ、持ってっておやりよ」 すると炉に焙っていた
年長の出前持が今夜に限って頭を擡《もた》げて言った。 「そりゃいけませんよお嬢さ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
ば君は天性冷淡な人かとみれば、またけっしてそうでないことを僕は知っている。君は先
年長男子を失うたときには、ほとんど狂せんばかりに悲嘆したことを僕は知っている。そ....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
うちに父は果たして石塔の主人となられた。一村二十余戸八十歳以上の老齢者五人の中の
年長者であるということを、せめてもの気休めとして、予の一族は永久に父に別れた。 ....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
る。これは本名を鳥居圭三という三十五にもなる男でカフェ・ネオンの現業員の中でも最
年長者なのだ。こいつは、内々春ちゃんに気があるらしい。もっとも春ちゃんはネオンの....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
っているものもはいって来た。新潟や長岡の中学校の食いつめものもいた。 それらの
年長者がいろんなことを僕等の間に輸入した。学校が始まってから間もなく、寄宿舎にい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のことを思い出して、ありがたく思うだろう」と言ったものだ。 学校が終ると、彼は
年長の少年のために友だちともなり、遊び相手ともなった。そして、休みの日の午後には....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
ちょっと此方を窃み視た。其の態度はずるいと言えばそれまでだが衰えながら、やっぱり
年長の位を保って相手に大様さを見せ度がって居る老人の負けず嫌いが深く籠っていた。....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
なり、処女作『尽用而二分狂言』に京伝門人大栄山人と署したは蔽い難い。僅か三歳でも
年長者であるし、その時既に相応の名を成していたから、作者として世間へ乗り出すには....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
そう、千年も二千年も三千年も少かろう。 ただ我々に取っては、これを渡初めした最
年長者より、もっと老朽ちた橋であるから、ついこの居まわりの、砂利場の砂利を積んで....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ら悔悛めさせて、切めては世間並の真人間にしなければ沼南の高誼に対して済まぬから、
年長者の義務としても門生でも何でもなくても日頃親しく出入する由縁から十分訓誡して....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
ぱりうまいのは家の晩酌に限るなあ」 安子はちらりと流し眼で彼の顔を見た。五つも
年長の彼女はいつも厚化粧に派手なみなりをして、彼との釣り合いを気にしているようだ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
す。木の間がくれの新月が観音様を照らし、御光がさしているのです。女は男より大分|
年長で、醜い器量の、しかもひどい斜視なんですが、その眼がまた迚も色っぽく、身のこ....