»
幸せ
「幸せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幸せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
けて逐電し、表具屋の子やと否応はいわせず、晴れて夫婦になれば、お腹の子もなんぼう
幸せや分らへん。そんな肚で逐電したのを因縁つけて、オイチョの北さん、あんたどない....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
制するようにいった。力強くいった。 「何を仰せらるるのじゃ。一旦、敵を持った者に
幸せな者がござろうか。御身様などは、まだいい。御身様は、物心ついた七歳の時から四....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
のあとで吹けたという喜びにぞくぞくしながら、 「――したが、ここで会ったとは何が
幸せになるやら、やい、猿飛、上意だ、繩に掛れ、……といいたいが、壁をへだてた牢の....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
居りました。 「まあ可哀相な事じゃ。夫婦揃うて殺されるなんて、あの子はよっぽど不
幸せな子じゃ」と申して泣くかと思いますと、 「えい憎い畜生め! ようもおとしを殺....
「画学校時代」より 著者:上村松園
りはせぬかと遠慮しながら縮図をつづけました。 あの頃の不自由を想うと、今の人は
幸せです。文展でも院展でも非常に人物画が多くなっているので、参考に困りませんが、....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
にキッスして「天にまします吾等の神よ、このいと憐れなる汝の子にことさらのお恵みと
幸せとを与えたまえ」とお祈りをしてくれる。というような醜態は、東洋の君子国たる日....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ケンはそろりそろりと岩につたわりながら、歩き出していった。 「ケン、神様は我々に
幸せを、およせ下さったかい」 しばらくしてダビットが訊《たず》ねた。 「まだだ....
「小公女」より 著者:菊池寛
も、同じ小娘じゃアありませんか。私があなたのように不幸でなく、あなたが私のように
幸せでないのは、いわば偶然よ。」 ベッキイには、セエラのそういう意味がちっとも....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
僕の作品が作品だけに、微妙なところまで神経を使ってもらったことは、まったく望外の
幸せでした。 歌舞伎座での、滝沢修君の演技も、二た役とも、なかなか立派でした。....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
、東京の印象といふやうなことは、殆んど話すことがないのである。 しかし、こゝに
幸せなことは、東京は変化の激しい都会である。例へばつい半年ほど前には、石の擬宝珠....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
はたったひとり。……あたしにはもう帰って行く所もないわ。あんただけなの。あたしを
幸せにしてくれる人は世の中に、文麻呂、あんたひとりしかいないのよ! 文麻呂 なよ....
「エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
―、オホホホホ。あなたさまは日本人でしょう、オホホそれならお行きにならない方がお
幸せですわ。……雲仙の旅館の女中は手を振った……。日本人は相手にされませんよ、靴....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
てずんずん歩くという風でした。松篁の嫁を迎えるのも見、曾孫三人の遊ぶのを眺めて、
幸せな晩年を送ったのでした。 (昭和二十四年)....
「審判」より 著者:カフカフランツ
のきわめてむずかしい問題にぶつかれる元気がわしにあるなら、もちろんわしもたいへん
幸せだと思っている。ただそれだけの元気があるかどうか大いに心配なんだが、ともかく....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
なく、ぐっすり眠れるようになろう」との気持はいまも生きている。 しかし私はいま
幸せだ。なぜならおりにふれて追憶し、楽しめる「苦しかった過去」を持っているからで....