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「幸先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幸先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
腕をまくり立てる。 「結構、事の血祭りに幕府の間諜《いぬ》を斬れ、伊賀の上野とは幸先《さいさき》がよい、やい幕府の間諜、表へ出ろ、荒木が三十六番斬りの名所を見せ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
作である。多分、御幸が決定し、御供に行く人々も定められた準備時代の作であらう。御幸先の秋の景色を想像してゐる。よい作である。作者がお供をして詠んだとなす説はいけ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いあいだ守っていた――骨牌を手にしないという誓いを破ったことを祝って、彼のために幸先のいいように望んだ。 「張った」と、ヘルマンは自分の切り札の裏に白墨で何か印....
微笑」より 著者:豊島与志雄
ちわびた。 火曜の晩、坂口を訪れて碁を囲んでいると、私の方が勝味が多かった。「幸先《さいさき》がいい」と私は思った。そして十二時になるとすぐに座を立った。 ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼らの前では変な言葉は少しも使わなかった。 かくて幾年か過ぎた。テナルディエは幸先《さいさき》がいいと思っていた。ある日マニョンがその月分の十フランを持ってき....
自由人」より 著者:豊島与志雄
組南に向って、礼節を無視した言葉遣いを提案したのも、実はその第一歩なのだ。これは幸先のよい成功だった。だが、相手が周組南だから、謂わば同質の人間で、成功などとは....
貞操問答」より 著者:菊池寛
は大凶などと、独りでその日の客足を占ってみる習慣が、ついていた。 トランプは、幸先よく揃いそうであったが、中途でつまって、結局うまく行かなかった。 もう一度....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
荊軻の企ての夫れよりも、より一層いちじるしい。……易水の詩! 失敗の詩! どうも幸先がよくないなあ」 こんな気持を感じたのは、伊賀之助としては始めてであった。....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
は先へ進んだ。 (まるで俺の方が脅されたようなものだ)苦笑せざるを得なかった。(幸先必ずしもよくないぞ) その時彼の背後の方から梟の啼き声が聞こえて来た。つづ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
「春の花|虱の道行」を耕書堂から出版したのは、それから間もなくのことであったが、幸先よくもこの処女作は相当喝采を博したものである。 これに気を得て続々と馬琴は....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
功徳も少なかった、土佐日記那波の泊の史蹟である。 奈半利川を渡ると田野町、浜口雄幸先生の邸宅があると標札が出ている、それから安田町、神の峯遥拝を考えたのは自然で....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
と思ったね。 家内はことばをつづけて、―― 「思案はもう沢山だわ、――とにかく幸先はいいんだから、さあ早く服を着かえて、一緒にマーシェンカのところへ行きましょ....
古事記」より 著者:太安万侶
ふたかみ》山の大阪の道から行つても跛や盲に遇うだろう。ただ紀伊《きい》の道こそは幸先《さいさき》のよい道であると占《うらな》つて出ておいでになつた時に、到る處毎....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
健在であれ。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… とにかく、幸先はわるくない。私はまた紫の煙草に火をつける。 や、鯨だ鯨だと騒ぐ声がする。....
アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
すなわち、冬になって山入りの時が近づくと、あらかじめ猟運を確保するためにいわゆる幸先を祝って、熊祭なるものを行ったのでありますが、その際、前に述べたような仮装舞....