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幹
「幹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
段の下の段に、肩をならべて、腰をおろした。幸い、ここには門の外に、ただ一本、細い
幹をくねらした、赤松の影が落ちている。
「あれは、藤判官《とうほうがん》の所の侍....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
タンなのは好《い》いけれども、お屠蘇《とそ》も碌《ろく》に飲めない癖に、禁酒会の
幹事をしているんですって。もともと下戸《げこ》に生まれたんなら、禁酒会へはいるの....
「影」より 著者:芥川竜之介
た。
「あの窓は、――あれは、――」
陳は際《きわ》どい息を呑んで、手近の松の
幹を捉《とら》えながら、延び上るように二階の窓を見上げた。窓は、――二階の寝室の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は白樺《しらかば》の
幹を抱《かか》え、片手は目の上にかざしたなり、珍しそうに僕を見おろしていました。....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
兼尊が、これも独り分け入って来た。そうして隔意なく彼と一しょに、朽木《くちき》の
幹へ腰を下して、思いのほか打融《うちと》けた世間話などをし始めた。
尊《みこと....
「少年」より 著者:芥川竜之介
の星だのをぶら下げている。瓦斯煖炉《ガスだんろ》の炎《ほのお》も赤あかとその木の
幹を照らしているらしい。きょうはお目出たいクリスマスである。「世界中のお祝するお....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
よりも確かに当り障りのなかった為である。
若楓
若楓《わかかえで》は
幹に手をやっただけでも、もう梢《こずえ》に簇《むらが》った芽を神経のように震わせ....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
とを見つめている。影の二つあることも変りはない。それから今度は頭を挙げ、樟の木の
幹を眺めはじめる。………
32
月の光を受けた樟の木の
幹。荒あらしい....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
心配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気なれど情心あり。主公は朋友の懇親会に
幹事となりてかの夜、木母寺の植半にて夜を更して帰途なりしとなり。その事を言い出て....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
てがわれ、ここに泊ることとなった。 どういう仕事をするのかというと、王立協会の
幹事との間に作成された覚書の今に残っているのによると、「講師や教授の講義する準備....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
方には、樹木のしげったひろい渓谷がのびており、大きな谷川が、砕けた岩や倒れた木の
幹に飛びちりながら、ごうごうと流れている。教会からさほど遠くないところで、流れが....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
任の全部が、総裁たる吉田首相の統率力の欠如にあるといわなければなりません。自由党
幹部の中には、自由党は、民同派、広川派なきものとして、少数党内閣として事に当らけ....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
大隈侯の銅像の前に五、六千の学生が集った。今は故人の安達正太郎君という雄弁会の
幹事が出て、開会の辞をやり、次いで私が決議文をよんで、さてこれから私が演説を始め....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
学が軍閥官僚に利用されてはいけない」との決議文を朗読したまではよかったが、雄弁会
幹事戸叶武君が演説を始めようとすると、突如、相撲部、柔道部の部員が襲いかかってき....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
この木だけは何かの拍子に火事にも焼かれずに立っているのであろう。僕は殆どこの木の
幹に手を触れてみたい誘惑を感じた。のみならずその木の根元には子供を連れたお婆あさ....