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幻怪
「幻怪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幻怪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を覆わざるを得なかったのである。然し室内には、曽て何人も見なかったであろう所の、
幻怪極まりない光景が展開されていた。 それを、陰惨などというよりも、千怪万状の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的な口調でやり返して、最後に、演奏台の端をガンと叩いた。そして、彼の闡明は、あの
幻怪きわまる紋章模様をして、ついにレヴェズの檻たらしめたのだった。
「ところで熊....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
しょう? 物々しい無数の殿堂、それから来るのでございましょうか? 『洞窟の内』の
幻怪な風景、それから来るのでございましょうか」 しかし僧は返辞をしない。 「私....
「運命」より 著者:幸田露伴
に至りたるもの、真に是れ稗史の好題目たり。之に加うるに賽児が洞見預察の明を有し、
幻怪|詭秘の術を能くし、天書宝剣を得て、恵民布教の事を為せるも、亦真に是れ稗史の....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
をすぐって、密林のように張りわたした警戒網である。それを随時随所に突破して、この
幻怪な犯罪は当局を愚弄《ぐろう》するように連続的に行なわれるのだ。しかも犯人は、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
叉が、序幕のだんまりには、女賊お滝の、金銀|繍《ぬ》い分けの、よてん姿、あらゆる
幻怪美をつくした扮装で現れるわけであった。
開幕を知らせる拍子木は、廊下をすぎ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
のでなければ、誰しも真実のお話として信用する事が出来ないという……それほど左様に
幻怪、驚異を極めた因縁のお話が貴方の過去の御記憶の中に含まれているので御座います....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
準で見られては駄目でしよう。イブセンのような細工もありません。しかし底には幾多の
幻怪なものが潜んでいる大海の面に、可哀らしい小々波がうねっているように思われます....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人間味を含んだ笑い声、話し声ですから、すべての光景が行くに従って、森の荒唐味と、
幻怪味とを消してしまいます。
「ワハ、ハ、ハ、ハ、ハ、そう来られちゃ、どうもたま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
浮き出したと同時に、一座がなんとなく水をかけられたような気持になって、神秘とも、
幻怪とも、奇妙とも、ちょっと名のつけられない小坊主の、平々洒々としてまくし立てる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か、よく見ると、それは一箇の般若《はんにゃ》の面に相違ない。そこでなんだか一種の
幻怪味に襲われながら、
「それは、見つかるだろう」
「そうかしら、あたいは、どう....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、その歴史もその市民も、坂も空地も商業街も電柱も石ころも、それらの発散する捨鉢な
幻怪味と蟲惑も、音楽も服装も食物も、みんな落日を浴びて長い影を引いている。言わば....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
岸だ。雑色的な人ごみ。空のいろを映して黒い川の水と、低い古い建物を背景に、それは
幻怪きわまる言語と服装と女子供と海産物とが、じつに縦横に無秩序に交錯する「北海の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と同じこと。 古代埃及の彫像は怪奇を極めているが、超現実的ではない。いかなる怪奇
幻怪なるものの裏にも、必ずや厳密なる写実がある。 お銀様のスフィンクスには、怪奇....
「墓場」より 著者:西尾正
の都の孤独な沈黙の中で、わたくしの心は最も恐ろしい幻想と幻影とを描いていました。
幻怪なほこらや石碑はいやらしい風貌を現し始め、――なかば生きもののように見えまし....