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「幻聴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幻聴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
筧の話」より 著者:梶井基次郎
だんだん深まってゆくのだった。私に課せられている暗鬱な周囲のなかで、やがてそれは幻聴のように鳴りはじめた。束《つか》の間の閃光《せんこう》が私の生命を輝かす。そ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
時として、偶然にしてはあまりに不思議な残像を見せる場合があった。そして、あげくに幻聴を聴くほどの症状になったと云うのは、彼の室の窓外が鉄道線路であって、そこを通....
天馬」より 著者:金史良
こでは盛んに蛙が口をそろえてぐわっぐわっと鳴き騒いでいるような耳を聾するばかりの幻聴を聞いた。その上風がひゅうひゅうと吹き荒んでポプラの枝がへし折れそうに見える....
」より 著者:池谷信三郎
明りの中で、薄気味悪い無表情を示して、ほんのりと浮び上っていた。 彼は絶間ない幻聴に襲われた。幻聴の中では、彼の誠意を嗤うシイカの蝙蝠のような笑声を聞いた。か....
精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
ったことゝなり、要するに、生活が不自然でありすぎたのである。アドルム中毒は甚しい幻聴を伴い、歩行が不可能となり、極めて、不快であり、苦痛なものであるから、こうい....
深夜は睡るに限ること」より 著者:坂口安吾
でもあり、その点だけ浦島太郎であるけれども、これは、やめた方がよろしい。幻視とか幻聴というものは、甚しく不安定な絶望感と抱き合せにあるもので、私自身麻薬の経験は....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
たのは二月十七八日ごろのことで、そのときは、喋ることも、歩行もできず、たゞ幻視と幻聴に苦しみつづけていた。すでに歩行も不可能であるから、兇暴期もすぎていたが、た....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
た。私はその時以来、注文を拒絶したのみでなく、一切の面会も拒絶した。そして、軽い幻聴が現れはじめたのは、その頃からであった。それは、極めて軽い幻聴で、あるリズミ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
つつましく生活しており、麻薬中毒や宗教中毒のような騒音はすくない。麻薬中毒も幻視幻聴が起きるが、宗教中毒もそうである。 私は日本人は特に精神病の発病し易い傾向....
二十一」より 著者:坂口安吾
パーリ語の祈祷文を何べん唱えても精神益※モーローとなり、意識は百方へ分裂し、遂に幻聴となり、教室で先生の声がきこえず幻聴や耳鳴りだけが響くのには大いに迷惑した。....
わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
毒は却々起らないが、催眠薬中毒はすぐ起る。そして、それは狂人と同じものだ。幻視も幻聴も起るのである。私は疑っているのだ。神経衰弱の結果、妄想に悩んだり、自殺した....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
今では長崎の教会のカリヨンが海をわたってきこえてくるが、彼はこの風光やカリヨンの幻聴などが問題ではない充実した動物だったろう。野生のカモシカのような。 なつか....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
精神病の誘因であったにしても、要するに、なにか生理的な故障が起らなければ、幻視も幻聴もでる筈がないのさ。つまり機械のゼンマイだかどこかの部分が狂わなければ、そう....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
、普通人には見えないものが見え、聞えないものが聞えて来ると云うのだ。……幻影とか幻聴とか云う奴さ、……小野! 僕はもう全く疑う余地はないと思うんだ! 石ノ上ノ文....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
き,どこかでオーイと呼ぶ.うっかり釣りこまれて行くと命が危い(20). ――付,幻聴・幻視などのこと 山中で聞く怪しの呼び声 山の中などで何者とも知れぬ者に呼....