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幼い
「幼い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
親《ふたおや》を覚えていない。生まれた所の様子さえ、もう全く忘れている。なんでも
幼い時に一度、この羅生門《らしょうもん》のような、大きな丹塗《にぬ》りの門の下を....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
々を愛した。並み木もない本所の町々はいつも砂埃《すなぼこ》りにまみれていた。が、
幼い信輔に自然の美しさを教えたのはやはり本所の町々だった。彼はごみごみした往来に....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
てから、ようやく二年ばかりしか経たない頃でございました。妻は校長の遠縁のもので、
幼い時に両親に別れてから私の所へ片づくまで、ずっと校長夫婦が娘のように面倒を見て....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
がたいしずけさを漂せた。そのもの静かな森の路をもの静かにゆきちがった、若い、いや
幼い巫女の後ろ姿はどんなにか私にめずらしく覚えたろう。私はほほえみながら何度も後....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
幅の広い川筋の見渡される、百本杭《ひゃっぽんぐい》の河岸《かし》へ出るのである。
幼い時から、中学を卒業するまで、自分はほとんど毎日のように、あの川を見た。水と船....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
もや》の下《お》りた中を、これも悠々と来かかるものがあった。野蛮《やばん》な彼は
幼い時から、歌とか音楽とか云うものにはさらに興味を感じなかった。が、藪木《やぶき....
「少年」より 著者:芥川竜之介
気ではない。いや、むしろ可愛い中にも智慧《ちえ》の光りの遍照《へんしょう》した、
幼いマリアにも劣らぬ顔である。保吉はいつか彼自身の微笑しているのを発見した。
「....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
出るのは必ずしも偶然ではないかも知れない。
幼児
我我は一体何の為に
幼い子供を愛するのか? その理由の一半は少くとも
幼い子供にだけは欺かれる心配のな....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
――と云ってもまさか妬《ねた》みなぞはすまいな? あれは便りのないみなし児じゃ。
幼い島流しの俊寛じゃ。お前は便船のあり次第、早速《さっそく》都へ帰るが好《よ》い....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
にアルコオル分の少ない、橙黄色《とうこうしょく》を帯びた飲料だった。
僕の父は
幼い僕にこう云う珍らしいものを勧め、養家から僕を取り戻そうとした。僕は一夜大森の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の、丁度春の小禽そのまま、楽しいのんびりした空気に浸っていたのでございます。私の
幼い時分には祖父も祖母もまだ存命で、それはそれは眼にも入れたいほど私を寵愛してく....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かたづいてライド夫人となり、次女はサラといいて、妙齢二十一才、三女のジェンはまだ
幼い子であった。ファラデーは前から手帖に色々の事を書いておったが、その中に「愛」....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にした。彼は子供をかわいがってやっては、母親たちの好意をかちえたが、特にいちばん
幼い子供をかわいがった。そして、むかしあの猛々しいライオンが、おおらかな気持ちで....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
すると、若い男は、老人の顔に自分の顔がくッつくほど、ぐッと身をかがめた。そして、
幼い頃の記憶が突如としてその胸に蘇って来たのだろう、こう答えた。 「お父ッあんの....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ようとしている。 久作さんを知ったのは何時の頃からかは、はっきりしない。何でも
幼い頃からで、産れながらに知っていたような気もする。 「夢野久作ってのが、頻りに....