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幼児
「幼児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は考えられない。
ではなぜ我我は極寒の天にも、将《まさ》に溺《おぼ》れんとする
幼児を見る時、進んで水に入るのであるか? 救うことを快とするからである。では水に....
「或る女」より 著者:有島武郎
てしまった。
四二
「おねえ様……行っちゃいやあ……」
まるで四つか五つの
幼児のように頑是《がんぜ》なくわがままになってしまった貞世の声を聞き残しながら葉....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
前たちの伸び伸びて行かなければならぬ霊魂に少しでも大きな傷を残す事を恐れたのだ。
幼児に死を知らせる事は無益であるばかりでなく有害だ。葬式の時は女中をお前たちにつ....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
と見るに、こはいと窶々《やつやつ》しき婦人《おんな》なりき。 一個《ひとり》の
幼児《おさなご》を抱きたるが、夜深《よふ》けの人目なきに心を許しけん、帯を解きて....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ョンになるらしい。 ◯護国寺裏の町に爆弾が落ちて、壕内に入れておいた二歳と五歳の
幼児が圧死し、母親は見張中であって助かった由。壕が家屋に近いことは不可。壕の屋根....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
のは不思議だった。 消えるベラン氏 「おい見たか今のを……。ベルガー夫人の
幼児が、微粒子に分解されて地球へ向って送られたのだ。素晴らしい装置ではないか」 ....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
タタと鼓草を打って花に日の光が動いたのである。濃く香しい、その幾重の花葩の裡に、
幼児の姿は、二つながら吸われて消えた。 ……ものには順がある。――胸のせまるま....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
に沿うて行きつ戻りつする。さしたての潮が澄んでいるから差し覗くとよく分かった――
幼児の拳ほどで、ふわふわと泡を束ねた形。取り留めのなさは、ちぎれ雲が大空から影を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
のを聞いて、それを思出に世を去った。 後は母親が手一ツで、細い乳を含めて遣る、
幼児が玉のような顔を見ては、世に何等かの大不平あってしかりしがごとき母親が我慢の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れば大体の要領はつかめるとのことでございます。 さて最初地上に生れ出でた一人の
幼児――無論それは力も弱く、智慧もとぼしく、そのままで無事に生長し得る筈はござい....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
美しい顔は、子どもと同じな心置きのない無邪気さに返って、まるで太陽の下に置かれた
幼児のように見えました。 「ここで私は天国の事などは歌うまい。しかしできるなら何....
「車中有感」より 著者:上村松園
度もない。それは、幼い児を抱いた、若い洋装の母の姿であり、その妹の姿であり、その
幼児のあどけない姿であった。 汽車が京都駅を発ってしばらくしてからのことであっ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
り得るなら、渚に敷いた、いささ貝の花吹雪は、いつも私語を絶えせぬだろうに。されば
幼児が拾っても、われらが砂から掘り出しても、このものいわぬは同一である。 小貝....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
じめて人民の知識を進歩せんとするは、実に迂闊の策といわざるべからず。例えばここに
幼児あり、これに薬を与えんとす。他人これを与うれば、
幼児おそれてあえて近づかず、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
なさざることなしという。小学校の放課時間に児童がフットボールを試み、家庭の運動に
幼児がフットボールをもてあそぶ等を見て、その遊技のいかに歓迎せらるるかを知るに足....