幼年[語句情報] » 幼年

「幼年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幼年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
しかった。若《も》しそこに少しでも明るい一面があるとすれば、それは唯何も知らない幼年時代の記憶だけだった。彼は度たび夢うつつの間に彼の両親の住んでいた信州の或山....
捨児」より 著者:芥川竜之介
》に注《つ》いだ。この可憐な捨児の話が、客|松原勇之助《まっぱらゆうのすけ》君の幼年時代の身の上話だと云う事は、初対面の私にもとうに推測がついていたのであった。....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
ら、打ったり叩《たた》かれたりして踊りで鍛えられたお蔭だよ」 だが、彼女はその幼年時代の苦労を思い起して、暗澹《あんたん》とした顔つきになった。 「おまえさん....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いる。このように、ダーウィンの学説でさえも、ここに見らるるごとく、既にこの文化の幼年時代においてその先駆者をもっているのである。 古典時代における宇宙始源に関....
階段」より 著者:海野十三
の赤い靴が小さい音をたてて時計の振子のように揺らいで行ったのを「一ツ」と数えて「幼年女生徒」の欄へ棒を一本横にひっぱった。それに続いて黒いストッキングに踵のすこ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
へただとか融通がきかないとかいうそしりの意味もないことはなかった。 僕が陸軍の幼年学校から退学させられて家に帰った時にも、 「お父さんはあんなにおとなしい方だ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
今でもあの娘はまだ自分に牽かれるかも知れない。復一は変態的に真佐子をいじめつけた幼年時代の哀しい甘い追憶にばかりだんだん自分をかたよらせて行った。 そのうち復....
食魔」より 著者:岡本かの子
る気味があった。何かいわれると、おどおどしているような娘だった。 伯母はむかし幼年で孤児となった甥の檜垣の主人を引取り少年の頃まで、自分の子供の中に加えて育て....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
いませんかしら。大乗哲学そのものが、健康ですし、自由ですし」 すると老紳士は、幼年生に巧みにいい返された先生といった快笑を顔中に漲らせて、頭を掻いた。「やあ、....
獄中記」より 著者:大杉栄
と逃げるようにして行ってしまった。 彼と僕とはかつて同じような理由で陸軍の幼年学校を退学させられた仲間だった。彼は仙台の幼年校、僕は名古屋の幼年校ではあっ....
続獄中記」より 著者:大杉栄
はない。女っ気のない若い男の寄宿舎なぞにはどこにでもあることだ。現に僕は、陸軍の幼年学校で、それが知れればすぐに退校されるという危険をすら冒して、忠勇なる軍人の....
土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
たいものである。近来|市井に見かける俗悪な色彩のペンキ塗のブリキ製玩具の如きは、幼年教育の上からいうも害あって益なかるべしと思うのである。 玩具及び人形は単に....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
るを強弁するは当時既に無用論があったものと見える。一体、親兵衛は少年というよりは幼年というが可なるほどの最年少者であって、豪傑として描出するには年齢上無理がある....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
り、足の短い人がマラソンの選手を志したりする無謀は避けなくてはならないでしょう。幼年時代から好きな道があり、それに添って歩んで行くことがその人の成功であったりと....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
してその精神の原動力たるべき国体に関する信念感激をたたき込むかであった。私どもは幼年学校以来の教育によって、国体に対する信念は断じて動揺することはないと確信し、....