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幼年期
「幼年期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼年期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に止まる所になんぞ、跡を残して置くもんか」と一同を像の前に連れて行き、「だいたい
幼年期からの傴僂には、上部の肋骨が凸凹になっていて数珠玉の形をしているものだが、....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
道に於て、今言った程度の技能にまで行けるものだということである。徒弟制的な訓練(
幼年期からの住込み式教育)は大抵の人間を一人前の職人に仕立てるものだ。ピアノの天....
「辞典」より 著者:戸坂潤
ルンの高等小学校に暫く在学した。其後半年程厳格なる教育のために語学校に送られた。
幼年期には至極粗暴であったが、少年期に入るに及んで温順となり鞣皮工の労働の傍ら文....
「久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
自分の今までふんで来た道程を、忠実に文章に表現しようとするよりも、一人の女性の、
幼年期から少女期から、成長してゆく様を描こうとしたのであった。富士氏からは、よい....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
しいものであった。しかし、彼はこの記憶を人に打ち明けることをあまり好まなかった。
幼年期にも、少年期にも、彼はあまり感情を面に現わさなかったばかりか、むしろ口数の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ひきょう》な性質を培養し、それに花を咲かせている。しかし、試みに子供に向かって、
幼年期のある年齢では、魂はまだその平衡の状態になっていないで、罪悪や自殺や心身の....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
り情熱のみの問題としては、一応純粋と言うべきであろう。 我々は概ね七八歳前後の
幼年期に、年長の婦人に強い思慕をよせがちであるが、これは動物的なもので、だからそ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
部構造をもっとはっきり知り得るに至ることを期待し得よう。しかしこの科学はなおその
幼年期にあり、そしてそれに関する知識を得ることが望ましい諸題目の多くは、取扱われ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の姿を、鶴見はまざまざと、いつであろうとも、眼のあたりに思い浮べることが出来る。
幼年期 鶴見の心眼の前を、例によって、幼年時の追憶の断片がちらちらと通り過ぎる....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
もうとしながら、兄との親しみを日ごとに深めていった秘密は、そこにあったのである。
幼年期から少年期の初期にかけては、たいていの人間は、よき親を恵まれることによって....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
深い、重たい目的を先きに持つ私はあまりたどたどと彷徊してはいられぬ。ここらでもう
幼年期に帷をおろそうと思う。 しかし私は昔の幼な友だちの三、四のものに就いて何....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の死亡率が低いのは、単に生活が規則的で苦労が少いということによるのではなく、また
幼年期から老年期に至るまで一貫して作用する自然的法則なのであることが、この表から....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
が私の実の母に対して非常な憎悪にかられ、憎み憎まれて、一生の発端をつくッた苦しい
幼年期であった。どうやら最近に至って、だんだん気持も澄み、その頃のことを書くこと....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
地形ができているのでございますが、私どもはその地形の発達程度によりまして、それを
幼年期、壮年期、老年期の三つに分けております。 そうしてもし、こういった地形の....
「澪標」より 著者:外村繁
首の記憶にしても、仮りにその形を描き得たとしても、それは後年の修飾である。しかし
幼年期の、形のない、あの漠然とした恐怖の記憶は、今も朦朧と、しかし確かに残ってい....