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幼童
「幼童〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼童の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夏秋表」より 著者:立原道造
よい啼き声だったのである。草ひばりの声は、純粋な白金で造られた精巧な楽器を稚拙な
幼童がもてあそんでいるような、ぎりぎりのイロニイであった。これをイロニイと聞いた....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
の頃寮の中に設えられた座敷牢のような太い格子の内側で、毎日毎日|温和しく寝ていた
幼童――といっても生きていれば今では妾と同じように成人している筈だ――のことだっ....
「花吹雪」より 著者:太宰治
も、賢明なる読者諸君に対して、いささかでも反省の資料になってくれたら幸甚である。
幼童のもて遊ぶ伊呂波歌留多にもあるならずや、ひ、人の振り見てわが振り直せ、と。 ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ったというのは、これは天の与えた宿命とあきらめる。けれども彼らのあとに来る少年や
幼童については、自分らの労苦の上に立って貰って、とにかく平担《へいたん》な道を安....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
四時、四時後、九時頃まではよたよた歩きをする年頃からはじまって小学校ぐらいまでの
幼童幼女で並木通りは祭だ。その間を赤衛兵が散歩する。ピオニェールが赤いネクタイを....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
のようにどッと湧いてきた。 夫人は長椅子の上にガバと伏し、両肩をうちふるわせ、
幼童のように声をたてて、激しく嗚咽しはじめた。 そのことあって以来、ヒルミ夫人....
「人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
直接的な創作力の現れである。そして神話が人間の生活を統制し秩序づけたようにそれは
幼童の生活を支配し、導く。 童話と人形とは必然にピッタリと融合する。童話の世界....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
び》らかなり。書簡に曰く 一春風馬堤曲馬堤は毛馬塘なりすなわち余が故園なり 余
幼童之時春色清和の日には必ず友どちとこの堤上にのぼりて遊び候水には上下の船あり堤....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
黄門どのとも呼ぶ。――一子|知章は生田附近の合戦で父に代って戦死。なお知忠という
幼童と一女が妻と共に同陣している。 〔教経〕清盛の甥。教盛の次男。能登守。年二十....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
、周防大島のホウシャもまたその痕跡と認められる。ホウシコというのも恐らくは土筆を
幼童に譬えた例と思うが、なお自分としてはこの方言の起りは狂言のカナホウシ時代より....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
自分にはそうと考えられぬ理由がある。信ずる人がもう尠なくなって、聴衆を無智文盲の
幼童に求めた以前、久しい間夜の鳥は成人にも怖れられた。鵺は単に未明の空を飛んで鳴....