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幾
「幾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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池の向うに並んだ何軒かの映画館。池には勿論電燈の影が
幾つともなしに映っている。池の左に立った少年の上半身《じょうはんしん》。少年の帽....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
つれて行くもんか。――」
藤井は昂然《こうぜん》と眉を挙げた。
「あれは先月の
幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると、浅草....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
る山駅《さんえき》の茶店に足を休めていた。左近はまず甚太夫の前へ手をつきながら、
幾重《いくえ》にも同道を懇願した。甚太夫は始《はじめ》は苦々《にがにが》しげに、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
当然である。しかし、それにも関らず、彼の心からは、今までの春の温《ぬく》もりが、
幾分か減却したような感じがあった。
事実を云えば、その時の彼は、単に自分たちの....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
馬の脚も露見《ろけん》する時が来たのかも知れない。……」
半三郎はこのほかにも
幾多の危険に遭遇《そうぐう》した。それを一々|枚挙《まいきょ》するのはとうていわ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
はいる気かい?」
「だってせっかく来たんじゃないか?」
Mは膝ほどある水の中に
幾分《いくぶん》か腰をかがめたなり、日に焼けた笑顔《わらいがお》をふり向けて見せ....
「運」より 著者:芥川竜之介
ろか》な事、珠玉とか砂金《さきん》とか云う金目《かねめ》の物が、皮匣《かわご》に
幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、....
「狂女」より 著者:秋田滋
れがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの荒い、気むずかし屋だった。 最初の
幾日かのあいだは何ごともなく過ぎた。その将校には、前もってこの家の主婦が病気で隣....
「墓」より 著者:秋田滋
あるでしょう。それを取っておけば、同じような輪廓をもち、同じような色彩をした像を
幾つとなく造ることは出来るでありましょう。しかしながら、あの体あの顔は、もう二度....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
まうと自殺をするのだ。なぜだ? 私はその理由を書いてみようと思う。だが、私はこの
幾行かの手記を読む人々のために書いているのではない、ともすれば弱くなりがちな自分....
「初雪」より 著者:秋田滋
とするためなのであろう。透き通るような白い指をその脣に押しあてた。 彼女は燕が
幾羽となく飛び交っている、目映いばかりに照りはえた青空を見上げたり、遠くエストゥ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
うものなり」とありたれば、今宵こそ大事なれとその胴巻を締めたまま臥しながらもなお
幾度か目さむる度に探りたり。 翌朝騒がしくまた慌ただしく催されて馬車に乗る。乗....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
しい方へと導いて下さった。その位の御方であるから、誰なりと御願い致します。」 「
幾度も私の思っている事を申し上げようと思いましたが、中々に出来ません。しかし自分....
「寡婦」より 著者:秋田滋
話を聞くと夢中になってしまいました。そして時折り手をたたいたりして、こんなことを
幾度も云うのでした。 「僕にだって出来ますよ。その人たちの誰にも負けずに、僕にだ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
差を探しているのだった。これこそ自分の息子に違いないと思われる顔を見かけたことも
幾だびかあるにはあった。が、いつもそれは思い違いだった。 二人がどこの教会より....