幾らも[語句情報] » 幾らも

「幾らも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幾らもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う。しかし、なんの為に彼女の帯を解いたか、慾の為ならばこの家内にもっと金目の品は幾らもある。彼女の帯ばかりでなく、着物をも剥いで行きそうなものであるのに、単に帯....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃあねえ。垣根の近所には四足のあとが付いていた。と云ったら、犬や猫のようなものは幾らも其処らにうろついているというだろうが、おれはちっと思い当ることがあるから、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して肯かなかった。本尊の秘仏を厨子に納めて、何人にも直接に拝むことを許さない例は幾らもある。おまえ方のうちに浅草観世音の御本体を見た者があるか、それでも諸人は渇....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
度の飯さえとどこおりなく食っていればいいという風でしたから、江戸に暮らしていても幾らもかかりゃしません。そうして、暗い晩になると竹槍をかついであるく。実に乱暴な....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
めに火薬を買ったのだ」 「鳥を捕るためでございます」 「雀ぐらいを撃つ弾薬ならば幾らもいる筈はない。おまえは何で二、三十|斤の火薬を買ったのだ」 「一度に買い込....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いかさま物もならべてある。羊羹とみせかけて、実は拍子木を紙につつんだたぐいの物が幾らもあるなどと云うが、まさかそうでもなかったらしい。 わたしも十一の歳のくれ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
声で、御新姐様や、といいはしまいかと、大抵気を揉んだ事ではない。…… 婆さんは幾らも居る、本宅のお針も婆さんなら、自分に伯母が一人、それもお婆さん。第一近い処....
黒百合」より 著者:泉鏡花
張ろうという意でね、こうやって方々歩いている。何、私なんざ、ほんの手先の小使だ、幾らも、お前さんの相談相手があるんだから、奮発をしてお前さん、連判状の筆頭につか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うことが時々あります。 まだ面白い話はないかと云うんですか。自分の手柄話ならば幾らもありますよ。はははは。その内にまた遊びにいらっしゃい」 「ぜひ又話して貰い....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
武家というものが皆ほろびてしまったのであるから、そこらには毀れかかった空き屋敷が幾らもある。持ち主が変わっても、その建物は大抵むかしのままであるから、依然として....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
この沢地で暮していますと、そこに二|羽の雁がやって来ました。それはまだ卵から出て幾らも日の経たない子雁で、大そうこましゃくれ者でしたが、その一方が子家鴨に向って....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
で武家というものが皆ほろびてしまったのであるから、そこらには毀れかかった空屋敷が幾らもある。持ち主が変っても、その建物は大抵むかしのままであるから、依然として江....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
計なことをしゃべったばかりに、みごと幽霊に復讐されたわけさ。シナにはこんな怪談は幾らもあるが、包孝粛は遠いむかしの人だからどうすることも出来ない。そこで幽霊がそ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
等人を狂人にしやあがってさ、寄付きゃしませんでした、男ごかしだの、立ごかしだのは幾らもあるんだけれど、狂人ごかしは私あはじめてなんで、躍るような手つきで引上げて....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
には、返辞無かりし。船頭は急病人の看護者の如く、暫く其の側を離れざりしが、『また幾らも来ますから……』とて、静に坐に直り、綸を埋めて、更め投下しぬ。 漁史は、....