幾世[語句情報] »
幾世
「幾世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幾世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
く行くだけ、紀念は次第に成熟する、石の上を走っている水の面の経緯《たてぬき》は、
幾世の人の夢を描いては消し、消しては描いているのである。
神代ながらの俤《おも....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
、しかし確実に凝縮していることのなかに認められる、というのであった。その結果は、
幾世紀ものあいだに、彼の一家の運命を形成し、また彼をいま私が見るような彼――つま....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
分かたれた固有の特質を備えている。揚子江と黄河はそれぞれ地中海とバルト海である。
幾世紀の統一を経た今日でも南方シナはその思想、信仰が北方の同胞と異なること、ラテ....
「闘争」より 著者:小酒井不木
て行くかと思うと心細くてならぬ。今この事件を書き終ってふりかえって見ると、それが
幾世紀も昔の出来事のような気さえする。K君、健在なれ! (〈新青年〉誌昭和四年五月号発表)....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
寄りの宿場に逗留して、道路の開通を待つこともめずらしくない。 この街道の変遷は
幾世紀にわたる封建時代の発達をも、その制度組織の用心深さをも語っていた。鉄砲を改....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た」と、彼女はささやいた。その顔にはまだ一面に微笑をたたえていたので、彼女の顔は
幾世紀を経て薄ぎたなくなった怪異な木彫りのように見えた。 「まあお聴きなさい。庭....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
便な陸路のために封鎖的になったこの港街に独特な精彩と活況とを与えた。そしてそれが
幾世代に渡り保存されたので、由緒ある港としてのいぶしがかって浅膚さからすくわれて....
「初雪」より 著者:秋田滋
の肉体から温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、
幾世紀かの年月を閲するうちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまったように思われる....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
愛国主義は、それ自身決して不自然な感情でもないし、浅薄なものでもない。それは、「
幾世紀も幾千年にも亘る祖国の存在によって固められた最も深い感情の一つである。」だ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
ような事を云う人がある。これは貴い夢想である。将来の世代は、若しそれが出来れば、
幾世紀かの後にはそれを実現するだろう。しかし今のところは、永遠を現在の瞬間に置い....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
分達の方で育った方を次の位にお即けしようとして、争いを起す事さえあった。そうした
幾世の後に、花のような藤原氏の時代が来た。藤原氏一族が勢を専にした時代の歴史を顧....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
完成度と同様の深達度をもって、俗世の生活にも、権力の座の組織のなかにも起こった。
幾世代かにわたってこの世を支配した騎士と僧門は没落し去り、彼らの位置は新しい人間....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
現制度に対する不信用があって、それで初めて本当の革命家が広大無辺の勤め、すなわち
幾世紀かの存在によって神聖なものとされて来た諸制度を数年間にもつくりかえる勤めを....
「王さまの感心された話」より 著者:小川未明
のように、いっしょにいて楽しく暮らすように考えなかったでしょうか? それから、
幾世紀はたちました。やがてこの地上をつかさどられた王さまがあります。 王さまは....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
も、ちょっと十銭ぐらいの小刀のようなものでも銘が打ってございます、二千年も昔から
幾世将軍の代る度に法則は変りましたが、こればかり今に残り居るというのは誠に妙なこ....