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幾日
「幾日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幾日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
つれて行くもんか。――」
藤井は昂然《こうぜん》と眉を挙げた。
「あれは先月の
幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると、浅草....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
がはじまった。にぎやかな笑い顔が、そこここに起る。こんな笑い声もこれらの人々には
幾日ぶりかで、口に上ったのであろう。学校の慰問会をひらいたのも、この笑い声を聞く....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
――千枝子はその頃僕の妻《さい》に、そんな事も笑って云ったそうだ。ところが三月の
幾日だかには、もう一度赤帽に脅《おびや》かされた。それ以来夫が帰って来るまで、千....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
人は笑ううちにも「縁起《えんぎ》でもねえ」と思ったと言っていました。
それから
幾日もたたないうちに半之丞は急に自殺したのです。そのまた自殺も首を縊《くく》った....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
実際又「初ちゃん」の話と云ってはその外に何も残っていない。「初ちゃん」はそれから
幾日もたたずに柩《ひつぎ》にはいってしまったのであろう。僕は小さい位牌に彫った「....
「或る女」より 著者:有島武郎
らね、その上を絵島丸は機関の動悸《どうき》を打ちながら徐《しず》かに走っていた。
幾日の荒々しい海路からここに来て見ると、さすがにそこには人間の隠れ場らしい静かさ....
「或る女」より 著者:有島武郎
の葉子に対する愛情が誠実であるのを疑うべき余地はさらになかった。日本に帰ってから
幾日にもならないけれども、今まではとにかく倉地の熱意に少しも変わりが起こった所は....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
にして入口から眺めていた。
「お前は馬を持ってるくせに何んだって馬耕をしねえだ。
幾日《いくんち》もなく雪になるだに」
帳場は抽象論から実際論に切込んで行った。....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
さいと願う気になれないので、毎日々々その絵具のことを心の中で思いつづけるばかりで
幾日か日がたちました。
今ではいつの頃《ころ》だったか覚えてはいませんが秋だっ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
とか、一日も安閑としてはいられない漁夫の生活にも、なす事なく日を過ごさねばならぬ
幾日かが、一年の間にはたまに来る。そういう時に、君は一冊のスケッチ帳(小学校用の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の二人は種々の温度で脾脱疽菌の対抗力を試験したが、低温度(たとえば氷室の中)では
幾日もの間貯蔵しておいても大してその発芽能力を失うようなことはないが、一〇〇度に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
だ気持だけの話でございます。こちらには昼も夜もないのですから、現世のようにとても
幾日とはっきり数える訳には行かないのでございます。その辺がどうも話が大へんにしに....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
一日と寒くなって、大すきな葦の言った事がいまさらに身にしみました。葦と別れてから
幾日めでしたろう。ある寒い夕方野こえ山こえようやく一つの古い町にたどり着いて、さ....
「狂女」より 著者:秋田滋
れがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの荒い、気むずかし屋だった。 最初の
幾日かのあいだは何ごともなく過ぎた。その将校には、前もってこの家の主婦が病気で隣....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * * * 年が明けて、まだ
幾日もたたない頃のことだった。彼女は大きな不幸に見舞われた。乗物の事故のために、....