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広げる
「広げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
広げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
木村さんのようなまじめな信者にしこたま金を造ってもらわんじゃ、神の道を日本に伝え
広げるにしてからが容易な事じゃありませんよ。あなたも小さい時から米国に渡って新聞....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
覚ったらしく、彼が少しでも手足の態度を改ためると、雨の降らないうちに傘《かさ》を
広げる人のように、わざと彼の観察を避《よ》ける準備をした。そうして故意に反対の方....
「明暗」より 著者:夏目漱石
らすぐ入院しろって云うかも知れない」
入院という言葉を聞いた細君は急に細い眼を
広げるようにした。
「入院? 入院なさるんじゃないでしょう」
「まあ入院さ」
「....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
取上げたものを些とべえ売りに参ります、白山の駒込の市場へ参って、彼処で自分の物を
広げるだけの場所を借りれば商いが出来ます」 秋「成程左様か、娘が有るかえ」 婆「....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
、一人の人が往来で洋傘を広げて見ようとすると、同行している隣りの女もきっと洋傘を
広げるという。こういう風に一般に或《ある》程度まではそうです。往来で空を眺めてい....
「黒い頭」より 著者:海若藍平
処はきっと直して上げます」 と云ううちに二人を抱き上げて、赤と青の着物をパッと
広げると、そのまま大空はるかに舞い上りました。 二人は夢のようになって抱かれて....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
行くと、この外被は飴のようにどこまでもどこまでも延長して行くのである。これを押し
広げるものが科学者と文学者との中の少数な選ばれたる人々であるかと思われる。 ....
「天災と国防」より 著者:寺田寅彦
に若干の観測地点を必要とし、その上にまた大陸方面からオホツク海方面までも観測網を
広げる必要があるように思われる。しかるに現在では細長い日本島弧の上に、言わばただ....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
遊山はある意味では庭園の拡張である。自然を庭に取り入れる彼らはまた庭を山野に取り
広げるのである。 月見をする。星祭りをする。これも、少し無理な言い方をすれば庭....
「火星兵団」より 著者:海野十三
にゃした触手が生えている。
彼はそのぐにゃぐにゃした触手を、袋の底にいっぱいに
広げる。その時頭は、もちろん敷物の上においたフットボールの球のような有様だ。そこ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
が出来ねえ」 武「左様なれば※めろ」 と広桟の風呂敷木綿、真田の中結を引解いて
広げると違って居る。麦藁細工も入ってはあるが違ってある。玩具が二つばかりに本が二....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ものを書いている窓に来て一言二言ずついった。野球のミットのような掌《てのひら》を
広げると、土佐絵に盛りあげた菜の花の黄か――黄色い蝶をつかんできたのかと思うほど....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に南方人の代表として映ずる、いつも饒舌《じょうぜつ》な大風呂敷《おおぶろしき》を
広げる古来名高い典型にたいして、北方のあらゆる人々の心のうちに潜んでる、本能的な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を払わんがためには、さらに十九世紀より二十世紀への一大転向が必要であった。視界を
広げるの努力より、視界を清めるの努力となってきた。外皮を脱するの苦しみより、肉身....
「省察」より 著者:デカルトルネ
及ぶゆえに、私が意志を悟性と同じ範囲の内に限らないで、私の理解しないものにまでも
広げるということからである。かかるものに対して意志は不決定であるゆえに、容易に意....