広壮[語句情報] » 広壮

「広壮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

広壮の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
った。彼は無表情の眼を挙げて、崖の上を見た。 芝生の端が垂れ下っている崖の上の広壮な邸園の一端にロマネスクの半円|祠堂があって、一本一本の円柱は六月の陽を受け....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
った。車を下りてみると、森の向うは、まるで地獄のように、引繰りかえっていた。あの広壮な建物という建物は一つとして影をとどめず、壁は、歯のぬけた歯茎のようになって....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》れのある柱の欄干がついている。それはルノートル式以前の最初のフランス式に成った広壮な庭であったが、今日ではすっかり荒廃と荊棘《いばら》とに帰してしまっている。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
メーリーの会堂や、また人工のために巨人となり更に夜のために妖怪となってる二、三の広壮な堂宇が、気味悪い不動の姿をしてそびえていた。 寂然《せきぜん》たる恐ろし....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くい》とで作られ一|尋《ひろ》八百フランもする底部と溝とを供えて下水道に至るまで広壮厳然たる昔の建築の代わりに、近代の安価な経済的方法、すなわちコンクリートの層....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
とって呼んでるけれど、ほんとは、基督《キリスト》復活聖堂というのですと。」 と、広壮な、寺院の廻りを、並んで歩きながら、美妙斎は、鐘楼の高さを、百二十五尺あるの....
鉄の規律」より 著者:平林初之輔
取り出して、室内を注意ぶかくしらべまわした。大東京の雑踏の中心にそびえ立っている広壮なビルディングの一室としては、これはまた何たる見すぼらしい室内の光景であろう....
西航日録」より 著者:井上円了
り。暑気、わが九月彼岸ごろに似たり。 ホンコンは東洋第一の開港場にして、家屋の広壮、市街の繁盛、ほとんどサンフランシスコに譲らず。ただその地、山に踞し海に臨み....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
し、死生を決するまで闘わしむという。宗教は概してヤソ旧教にして、寺院にはすこぶる広壮なるものあり。草木は台湾南部に似て、芭蕉、檳榔および荊竹多し。また、水牛を用....
上海」より 著者:横光利一
煙草を吸って休んでいた。 村松汽船会社へ甲谷が着いたときは、十時であった。彼は広壮な事務部屋の中央を貫いて、腰から下が廊下になっている通路を通りながら、万遍な....