広座敷[語句情報] » 広座敷

「広座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

広座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
る気持ちだ。広い食堂を片づけている間に、コックや皿洗い達が洗湯をつかって、二階の広座敷へ寝てしまうと、私達はいつまでも風呂を楽しむ事が出来た。湯につかっていると....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
なった月日が、既に四五年以上も経たものであろう。それでも、だだ広い其の母屋の中の広座敷の、古畳の寄せ集め敷、隙間もあれば凸凹もあり、下手の板戸は立附が悪くなって....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
しと念じた、壁の心が露れたものであろう――抜群にこの魍魎が偉大いから、それがこの広座敷の主人のようで、月影がぱらぱらと鱗のごとく樹の間を落ちた、広縁の敷居際に相....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
いせいする。広い食堂を片づけている間に、コックや皿洗い達が先湯をつかって、二階の広座敷へ寝てしまうと、私達はいつまでも湯を楽しむ事が出来た。 湯につかっている....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
も、この降りじゃ……」 向島|白髭《しらひげ》の、大川にのぞんだ二十畳ばかりの広座敷。 朱塗の大きな円卓《えんたく》をかこんで、格式張ったお役人ふうなのをひ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の始まるころまで、調布、府中、青梅《おうめ》などの村々をまわって歩き、名主の家の広座敷やお寺の本堂などで、説教節《せっきょうぶし》にあわせて、『石童丸《いしどう....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
七ツ半ごろ。泣きの涙で死衣裳に替えさせ、お時という小間使をひとり残してわれわれは広座敷へ集まって葬式の日どりの相談をしておりますと、それから半刻ほどの後、お時が....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
郎に、 「おれたちが入って来たほかに、天井裏へあがる口があるか」 「常式どおり、広座敷の押しこみの天井板が三枚ばかり浮かしてありますから、這いこむとすればそこな....
五重塔」より 著者:幸田露伴
兵衛めが生命はさ、さ、さし出しまする、と云いしぎり咽塞がりて言語絶え、岑閑とせし広座敷に何をか語る呼吸の響き幽かにしてまた人の耳に徹しぬ。 紅蓮白蓮の香ゆかし....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も襖も、すべてが目に痛いほど新しかった。 三人が通ったのは、往来に向いた二階の広座敷であったが、前の客の残肴やら鼻紙などが、まだ掃きもせず散らかっている。 ....