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「広汎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

広汎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
十秒に一回の割合で発射された。それと共に、怪人集団から応答があるかと、受音装置が広汎な幅を持って相手の信号を探し続けた。 だが、何の応答もなかった。 その日....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
隊は、大隊から分れて、イイシへ守備に行くことになった。 HとSとの間に、かなり広汎《こうはん》な区域に亘って、森林地帯があった。そこには山があり、大きな谷があ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
むを得ない。かゝる議論をなすものがある。勿論、満蒙の天地が広大であり、その利害が広汎であり、その全局の得失は極めて重大である。しかし、広東に起りたる支那の民族革....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
殺されることである。 人道主義になると、五十歩百歩ではあるが、いくらか考え方が広汎になり、戦争の原因を追求しようとする慾求が見えて居る。中途半ぱな、生ぬるいと....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
。殊に最もひどい感動をうけたものは、各国参謀軍人であった。あの超電撃的地球儀的|広汎大作戦が、真実に日本軍の手によって行われたその恐るべき大現実に、爆風的圧倒を....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
常人としては耐えがたい訓練を経てきた千太郎――ではない万吉郎であったけれど、その広汎なる知識をもってしても遂に想像できなかったほどの超人的女性の俘囚となってしま....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ば、本懐の至りに存じます。 ひと口に小説筆記と申しましても、その範囲があまりに広汎になりますので、こんにちは専ら〈志怪の書〉すなわち奇談怪談を語っていただくこ....
学生と教養」より 著者:倉田百三
格価値主義に対して幸福主義――自己の快楽の追求から社会の福利の増進にいたるまでの広汎な功利主義の倫理学が立つ。そのクライマックスはシヂウィックの「最大多数の最大....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ならず二度までも溜息をついた。それにしても、輪廻に伴う創造観が観相の主題を占め、広汎な苦行世界を彼に見せてからは、彼がそれまで気にしていた小さな過去の悔恨の如き....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
岳と森林と大きな河と、突兀峨々としてつらなっている岩とによって形作られている所の広汎の地図が描かれてあった。一人の老女がいったように、朱色で記された十文字の、例....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
外視することのできない人物であるが、福沢氏の方はそういう専門的の意味からでなく、広汎なる立場から見て、どうしても見逃すことのできないものがあるのである。殊に英、....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
ものではありません。ともかく、私が知っていると思われる限りではこの流刑地でひどく広汎な権限をもっている司令官の意見に比べたらずっと意味がないものです。もしこの手....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、あらゆるものを顧みる暇がなかったほど困難を極めていた。一代を通じて、バアリイの広汎にわたる配慮がイングランドを支配する最高の勢力であった。バアリイ以下の重臣は....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る上にとっても、参考となすべきものが少くない。しかしながらその及ぶ範囲はすこぶる広汎に渉り、予が従来学界に発表したるものの如きは、いずれもこれが一部分の研究たる....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
標を与え、それを理解感激せしめた上に各自の任務を明確にし、その任務達成のためには広汎な自由裁断が許され、感激して自主的に活動せしめねばならない。恐れ戦き、遅疑、....