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序幕
「序幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
序幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
八月一日、ドイツがフランスに向って宣戦し、仏露がこれに応じた。大仕掛の殺人事業の
序幕が開かれたのである。 ベルギーを衝くか衝かぬかは、ベルギーにとっては死活の....
「新生」より 著者:島崎藤村
するにも等しいものがあった。名高い社会党の首領で平和論者であった仏蘭西人が戦争の
序幕の中に倒れて行ったことは一層この劇的な光景を物凄《ものすご》くした。岸本は自....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
うに小さくなった船の中で、君は配縄の用意をしながら、恐ろしいまでに荘厳なこの日の
序幕をながめているのだ。君の父上は舵座にあぐらをかいて、時々晴雨計を見やりながら....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
が紙鳶に乗って、名古屋の城の金の鯱鉾を盗むという事実を仕組んだもので、鬼太郎君は
序幕と三幕目を書いた。三幕目は金助が鯱鉾を盗むところで、家橘の金助が常磐津を遣っ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
でしょう。けれども、あの札は既に水精以前――つまり、この恐怖悲劇では、知らぬ間に
序幕へ現われてしまったのですよ」と顔一面に絶望したような、笑いともつかぬものが転....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
意の時代が来たのだ。心行くまで彼等に腕を振わせる大舞台が開展したのだ。その意味で
序幕の応仁の乱も、意義があると云うべきである。 応仁の乱の責任者として、古来最....
「海底都市」より 著者:海野十三
クマ少年に手を引張られて、人波の中をぐんぐん歩いていった。これが大きなおどろきの
序幕《じょまく》だとは露知《つゆし》らずに……。 長い廊下《ろうか》 「こ....
「雪魔」より 著者:海野十三
烈な大吹雪となってしまった。それは今も気象台の記録に残っている三十年来の大吹雪の
序幕だった。 そうなると、もう人間の力ではどうにもならなかった。人々は涙を流し....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
。余程嬉しかったものと見える。無理もない、それは確実に、印度民族|奮起の輝かしき
序幕を闘いとったことになるのであったから。 しかしその日の新聞電報は、地中海か....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
てその芝居の話であるが、春木座の「牡丹燈籠」は面白かった。ほとんど原作の通りで、
序幕には飯島平左衛門が黒川孝助の父を斬る件りを丁寧に見せていた。この発端を見せる....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ので、いや全く驚きやした」「頼む、筋立てて話してくれ」「順を追って申しましょう。
序幕は信州追分宿、そこに旅籠がございます。何んとかいったっけ、うん油屋だ。その油....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
、お師匠の三味線を、舞台にお聞きしたいからでもございました。何分にも、あの興行は
序幕が「今様四季三番叟」通称「さらし三番叟」というもので、岩井半四郎が二の宮の役....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
蒲団に、据えたようにいるのです。 「たしか、今度の二番目の外題も、京人形。」 「
序幕が開いた処でございまして、お土産興行、といった心持でござんしてな。」 「その....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
よ。愛吉さん、お前が酒と連立ったんじゃ、向上から鴨川で対手になってくれやしない、
序幕に出した強談場だし、若干金かこっちから持込というのだから、役不足だったろう、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
母に叱られた。 こんなことで途中をまごついていたために、わたしは「碁盤忠信」の
序幕と二番目を見はぐってしまったが、菊五郎は病気か何かで、二番目の吉野山の義経は....