底物[語句情報] » 底物

「底物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

底物の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
した。彼と御縫さんとの結婚は、他《ほか》に面倒のあるなしを差措《さしお》いて、到底物にならないものとして放棄されてしまった。 二十三 「貴夫《あなた》どうしてそ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
十二月四日の日記にこんな事を書いている。 昨夜《ゆうべ》は僕が水彩画をかいて到底物にならんと思って、そこらに抛《ほう》って置いたのを誰かが立派な額にして欄間《....
魚玄機」より 著者:森鴎外
柯烟露清。 月中隣楽響。 楼上遠山明。 珍簟涼風到。 瑶琴寄恨生。 ※君懶書札。底物慰秋情。 玄機は詩筒を発した後、日夜温の書の来るのを待った。さて日を経て温....
十二支考」より 著者:南方熊楠
薬の手加減まで解りもせぬ事を根問《ねど》いして、半信半疑で鼻唄半分取り懸るから到底物にならぬ。 予がこの菌を染料にと思い立ったは、フロリダで支那人の牛肉店に見....
新しき夫の愛」より 著者:若杉鳥子
った。しかし、あれは毎月つづくらしいが、後はどうなんだろう。発音は此処にいては到底物になるべくもない。だが読むだけなら、字引さえあれば全くゾーサないことだ。一体....
性格としての空間」より 著者:戸坂潤
うものではない。もし理解が理解されたものの性格を破壊して了うものならば、吾々は到底物事をありのままに、その性格通りに、理解することは出来ない筈である。私は空間を....