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「底部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

底部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ている連中にも、それと判らなかった。唯一つ、日本橋の某百貨店のエレベーター坑道の底部に開いているものは、エレベーター故障事件に発して、炯眼なる私立探偵|帆村荘六....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
横たえると、喬介は瓦斯注入口の弁を開いてその中へ細い手首を差し込み、暫く気嚢の内底部を掻き廻していたが、間もなく美しい首飾を一つ取り出した。 「図太い野郎だ!」....
光と風と夢」より 著者:中島敦
の形式に、斯かる成長の過程に、上品にとりすました生の表面と、下卑て狂気じみた其の底部との対照に――之等は、如何に年をとっても、私には慣れ親しめないものだ。私は年....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
している。そうして、おしべはと見るとどこへ行ったかわからない。よく見ると子房の基底部にまっ黒くひからびた虫の糞のようなものがある。それが役目を果たしたおしべの残....
月世界探険記」より 著者:海野十三
トタン屋根をいただいた梁の下に長々と横たわっていた。頭部は砲弾のように尖り、その底部には、缶詰を丸く蜂の巣がたに並べたような噴射推進装置が五層になってとりつけら....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
第三章 幽明間の交渉 問『前回の通信を草した時、自分は非常に疲労を覚え、脳の底部に激痛を感じた。その原因は何であったか?』 現代立法の不備――汝が頭痛を覚....
新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
曲線は、世界的大地震を起す懸念のある断層なのだ。この断層の最も幅広いそして奥深い底部に、丁度中国は当る。 戦争に勝って一息ついた、その一息が、実は休憩や安堵の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》の要石《かなめいし》の下の高さ、穹窿《きゅうりゅう》の彎曲部《わんきょくぶ》と底部とにおける広さ、などを測定し、終わりに、各水口と直角に水面線を、底部と街路の....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
人間の足首で言うと恰度蹠骨尖端の下部に当る処なんだが、あの少女の履くポックリの前底部を一寸思い出させる様なこの靴跡の前の部の局部的な強い窪み方――。等々の総合的....
リズムの構造」より 著者:中井正一
のを経験する。それは野球における打数においてもあらわれるものであり、そのカーヴの底部を一般にスランプという不可解なる語をもっていいあらわしている。それは一人一人....
哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
を感じようと、いつもその上に立ち、いつもその下に帰着するような、そういう心理の基底部がこの世界観だ。思想はたしかに、こういう世界観の底部を持つ。 だが思想には....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
、その前年の冬に雪が少なかったので、氷河は既に五月の始めに、新雪から解放せられ、底部から溶解して、空洞になり、激しい滝水で、氷河のトンネルが出来たのが、支持の力....
立春の卵」より 著者:中谷宇吉郎
していた。何の変りもない。黄味の直径三十三|粍《ミリ》、白味の厚さが上部で六粍、底部で七粍、重心が下っているなどということもない。要するに、もっともらしい説明は....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
記入したが、大体の形は次の通りである。 上縁長 径約30米 短径 約22米底部長 径大約10米(測り方で13米ともなり9米とも見える) 短径 約6米 ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
れたまま、寂しさを味うが如くに暫く立ち停って四辺を見廻していた。 この大窓は其底部の形がV字でもU字でもなく、全く絶大な凹字に類している。山と山との距離は六十....