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店を張る
「店を張る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店を張るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
が二千円近くもあったところから、狭苦しい三畳にもいられなかった二人が、根津の方へ
店を張ることになってからも、外の活動に一層の興味を感じて来たお島は、時々その事に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ならいざ知らず、同じ商売の両替屋なのです。恩ある主家なら、別な町か、遠いところへ
店を張るべきがあたりまえなのに、まるで商売がたき、客争いをいどむように、二町と離....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
鳩が入乱れて、春光を浴びながら嬉々として何かを漁っていた。小意気な姐さんが袋物の
店を張る手を休めて、毎日眺めている可愛い小鳥達を、今日始めて見るように見惚れてい....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
」 と改良半紙二枚を飯粒でつないで、悪筆を振ったのを、欄間へ張る。――とにかく
店を張る事になったが、瀬川の心の中では、 「池の水に夜な夜な月は映れども」 で....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
ね、白縮緬の帯とね、お金を五十銭借りられて、やッぱしそれッきりさ。帯がないから、
店を張るのに、どんなに外見《きまり》が悪いだろう。返す返すッて、もう十五日からに....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
は知れたもので、このままでは鬢の白くなるまで稼ぎ通したところで、しょせん一軒の表
店を張るなどは思いもよらないことであった。 ある時、かれは両国の橋番の小屋に休....
「凍雲」より 著者:矢田津世子
ひとつまみばかり、まけさせる。 この物売りたちの中にまじって、町の小商人たちも
店を張る。下駄屋だの、太物屋だの小間物類の雑貨屋だの……。 市の日は、飲み屋の....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
も七部もあるのか。」 「そんなにはない。」 「昼間は何をしている。」 「四時から
店を張るよ。昼間は静だから入らっしゃいよ。」 「休む日はないのか。」 「月に二度....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ら関東といえば、関東の者が、みちのくを思うより遠かった。 (これからどんな土地で
店を張るのやら) と、心細い気持に囚われている彼女たちは、たまたま、伏見で馴染....
「俗臭」より 著者:織田作之助
でヘイと返事し、兄の手つきを見習って、コップにあめを盛った。 翌日から、二人で
店を張る様になった。儲けが少いし、二人掛りでする程でもないと、冷やしあめの車、道....