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店者
「店者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文七元結」より 著者:三遊亭円朝
手を掛け、片足踏み掛けているは年頃二十二三の若い男で、腰に大きな矢立を差した、お
店者《たなもの》風体《ふうてい》な男が飛び込もうとしていますから、慌《あわ》てゝ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
くも大急ぎに本人を地上へ抱きおろしました。当人はまだ二十三、四ぐらいの、どこかお
店者《たなもの》らしい若者でしたが、遠目に見届けたときのとおり、おりよくもそのと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の手前――その手前までさしかかったところで、はしなくも向こうから日本橋あたりのお
店者《たなもの》らしい若い男が、お参りをすまして帰ってきたのに行き合わせると、う....
「新生」より 著者:島崎藤村
立飲をして行く近所の家婢《おんな》も、帳場のところへ来て話し込む労働者もしくはお
店者風《たなものふう》の仏蘭西人も、奥の部屋に形造った小さな世界とは全く無関係で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
というのだ」 「宇吉といいます」 「むむ、宇吉か。お前はなかなか景気がいいな。お
店者の小僧のくせに、蕎麦屋へ来て天ぷらに霰とは、ばかに贅沢をきめるじゃあねえか。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あったが、本部屋へはいったのは芝源助|町の下総屋という呉服屋の番頭吉助で、かれは
店者の習いとして夜なかに早帰りをしなければならなかった。いつもの事であるから相方....
「あの顔」より 著者:林不忘
てていた。名所図絵を繰って、もっともらしく首を捻っている隠居風の老人もあった。お
店者《たなもの》ていのが、わらい絵らしいのを手早く買って、逃げるように出て行くと....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
ことができるかとそれに骨を折った。難かしくなってはいけない。折助《おりすけ》やお
店者や飴しゃぶりの子守り女やおいらん衆が読むのだからと絶えず自分に言い聞かせても....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
そうに腰をかがめた。
「…………?」
栄三郎が、黙って振り向くと、前垂れ姿のお
店者《たなもの》らしい男が、すぐ眼の下で米|搗《つ》きばったのようにおじぎをして....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て、その一パイ飲み屋のノレンをくぐった。ちょうど夕食の時間ではあるが、この辺はお
店者の縄ばりで、彼らはお店で食事をいただくから、こういう飲み屋を利用するのは夜更....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
店の進展に伴って各自その全能力を発揮せんとして努めているのであって、最年少の新入
店者に至るまで私はこれを自分と同じく商業に志す同志として迎え、かく多くのよき同志....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
算する小売商の総売上高の四割を占め、そのためこの小売商の中から、破産者もしくは閉
店者を続出せしめて居るのでありますから、これが対抗策を考究することは、我々小売商....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、午前十時頃からまた追々雑踏するが、昼の客は割合にお人柄で、夕刻から夜に掛けてお
店者並びに職人のわいわい連中が押して来て非常な騒ぎとなる。何んでも一年中でこの酉....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
せ》に高足駄を突っ掛けた勘弁勘次は、山谷の伯父の家へ一泊しての帰るさ、朝帰りのお
店者《たなもの》の群の後になり先になり、馬道から竜泉寺の通りへ切れようとして捏《....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
と見据えた。と、どうしたものかお艶は後を濁して藤吉の袖を放すと、折柄来かかったお
店者らしい一人へ歩を寄せて、 「あれ、見しゃんせ――。」 と始めたが、このこと....