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「度し難い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

度し難いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
の家へ訪ねて来て、それ見たかと言わぬばかりの口調で、散々家内の不心得を責めた。「度し難い家族」――これが先達の後へ残して行った意味だった。 お菊が生前の遊び友....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
いうか、機会というか、とにかく「縁」というものは不思議なものです。「縁なき衆生は度し難い」などと、昔からいっていますが、縁のないものには、如何ともし難いのです。....
「たずねびと」より 著者:太宰治
烏賊の缶詰の味を、ひそひそ批評しているのと相似たる心理でした。まことに、どうも、度し難いものです。 私たちの計画は、とにかくこの汽車で終点の小牛田まで行き、東....
「天馬」より 著者:金史良
いよ玄竜は火のような熱情に燃えて激しい息づかいをしながら叫んだ。 「僕はこういう度し難い民族性を考えると悲しくてならないんだ、田中、おう君、僕の気持を分ってくれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
村の奴も福村の奴だ。おれがこうして殊勝に引込んでいる気も知らないで、人もあろうに度し難い畜生共だ。江戸へ押しかけて、福村の奴を取って押えて泥を吐かしてやろうか。....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
いない、処が無意識的虚偽は虚偽者自身を欺く処の虚偽である。之こそ最も悪質な、最も度し難い、執拗なる虚偽ではないだろうか。之を医すにはもはや良心を証明する処の、一....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
1で割ると、定温定圧のカドミウム赤色光線の波長となるのだが、カドミウムや地球ほど度し難い不道徳な存在はないのだ。 合理的であることでは、善良なことはないだろう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、逃げ出して暫くたつと、またあの森かげへ隠れて、くっつき合っていましたよ。とても度し難いというのはあれらでしょう、放って置いてもいいかげんすると、うだって、腐り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う》め、存外、兇暴性と、泥棒根性とを持っていることをみんなが言う。あんなのは結局度し難い奴で、最後には大迷惑を与える奴に相違ない。海へ抛《ほう》り込むわけにもゆ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
獣《きんじゅう》ともお友達づきあいができるものと、保証をしているのに、ただ一つ、度し難い動物に猫がある。あらゆる動物のうちに、猫だけがいけない。あいつに表情がな....
「青春論」より 著者:坂口安吾
身の歩いた道は決してそれではなかったのである。彼はもっと凡夫の弱点のみ多く持った度し難いほど鋭角の多い男であった。彼には、いつ死んでもいい、という覚悟がどうして....
「十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
な気がする。Ａさん、怒っちゃいけないよ――君は本当に正気で言ってるのかい。」 「度し難いＢさん。これは皆、専門の学術から割り出したもので、根拠のないことなど、僕....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ずに暮して行けるのである。たったこれだけの金を器用に儲けれないという自分の低能も度し難いものだが、併したったこれだけの金だから何処からかひとりでに出て来てもよさ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
害を与え仇を加える事がある。例えば耶蘇教の神さんでも、その昔人民が罪悪に陥って済度し難いからというて大いに憤り、大洪水を起して総ての罪悪人を殺し、ただその中の善....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
こそ彼女の経歴の最後の謎であるが、――それらの性質が、向かってくる攻撃に対して、度し難い頑固さでくるりと背中を向けるだけの力を、彼女に与えたという点にあるのだっ....