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度外れ
「度外れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度外れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
か》に、)という。」
十三
「そこから下りるのだと思われる、松の木の細くッて
度外れに背の高い、ひょろひょろしたおよそ五六間上までは小枝一ツもないのがある。そ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たという訳さ」
「フム、またお化けか」と検事は下唇を噛みしめて呟いた。「すべてが
度外れて気違いじみている。まるで犯人は風みたいに、僕等の前を通り過ぎては鼻を明か....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
ですよ、あたし。」 「だって送ってくれなきゃ困るよ。」 「あたしも困るわ、こんな
度外れに遅くなってから。」 登恵子は飽くまでも拒絶しようと思ったが、結局はコッ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
か」 駿河守は一眼見るとひどく葉之助が気に入った。 しかし葉之助は往々にして
度外れた事をするのであった。例えばご前で足を延ばしたり、歩きながら居睡りをしたり....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
らないが、その地面の真白さと松の葉の堅き黒さの調子というものは、ちょうど、何か、
度外れに大きな電燈を室内へ点じた如き調子である。物体はあらゆる調子の階段を失って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、測量をしていたのだ。それを遠目で見て、一概に決闘と早呑込みをしてしまったのは、
度外れた滑稽沙汰であった。
しかし、まあ、ちょうど、何かしら人懐かしい折柄、近....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
法モノ、馬鹿モノノイマシメニ話シテ聞カセルガイイゼ」 と言っている通り、馬鹿も
度外れの馬鹿になっている。しかし家は剣道で名うての男谷《おたに》の家、兄は日本一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い筋合いもないのだが、それにしても、これは少し度外《どはず》れだ、名前そのものは
度外れでないにしても、図柄そのものが、
度外れだ」 白雲は、でたらめの歌うたいの....
「露肆」より 著者:泉鏡花
四角な口を、額まで闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸。余り
度外れなのに、自分から吃驚して、 「はっ、」と、突掛る八ツ口の手を引張出して、握....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
学的にしらべて書いて見たいと思って居るが、さし向き人間の方から見ると、昔と違って
度外れの人間というものが、すっかり後を絶ってしまったように見える。 傑《すぐ》....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
か調和とか云うものが掻き消せてしまって、何さま醜怪な地獄絵か、それとも思い切って
度外れた、弄丸作者の戯画でも見る心持がするのだった。然し、次第に落ち着いて来ると....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
慢にも小田原の自慢にもならぬ。 それにつけても「食べ物」の話というやつは、多少
度外れていても、そんなに実害がないばかりか、もし話し手にその人を得れば、けつこう....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
劇味」は、むしろ、「道化味」と称すべきものであることが、最も大きな特色であろう。
度外れた誇張によるとぼけた可笑味、きわどさと露骨さとを撒きちらす愛すべき素朴さ、....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
あれば尾行もし、村民を煽動して抹殺してしまう暗殺者の役までやるらしい。この連中の
度外れに殺伐なわけもこれでわかったが、こういう行届きかたでは、国境の町で、大掛り....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
揚げて了ったと云うことよ。」 「そうかい。」 重太郎も驚いて声を揚げた。其声が
度外れに高いので、お葉は慌てて四辺を顧った。 母に別れ、棲家を失った今の重太郎....