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「度度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

度度の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
比叡」より 著者:横光利一
結婚してから八年にもなるのに、京都へ行くというのは定雄夫妻にとって毎年の希望であった。今までにも二人は度度行きたかったのであるが、夫妻の仕事が喰い違ったり、子供に手数がかかったりして....
微笑」より 著者:横光利一
それでも中尉の肩章はまだ栖方に似合ってはいなかった。 「君はいままで、危いことが度度あったでしょう。例えば、今思ってもぞっとするというようなことで、運よく生命が....
厨房日記」より 著者:横光利一
片足の冷え冷えする指先の方で、妻の芳江は羞しそうに顔を赧らめながら、 「お手紙|度度ありがとうございました」と礼をのべた。 「そんなに出したかね」 芳江は返事....
旅愁」より 著者:横光利一
のだからな。」 「まア、どちらも日本の神を信じたまえ。」 と、速水は風邪ぎみか度度手巾を出し鼻をかんだ。 「しかし、日本のむかしのキリシタン宗はカソリックだと....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
森山は斯う言って、毎日幾度も訊きに来るのだった。一日中其処から離れないことが度度だった。自分で櫓へ上って、がちゃがちゃと、居ても立ってもいられないと云うよう....
離婚について」より 著者:与謝野晶子
最多く積んでいられるらしい男子の方はどうかと申すと、その例には女子教育家であって度度女子問題に御説を出される三輪田元道先生などを引くのが都合が宜しいと存じます。....
夜の靴」より 著者:横光利一
人の間に挟まれての行動は、目立たぬところでうるさいことの多かったのも、今までから度度感じていた。 「うまくいけば良いがのう。おれも知らん人間だぜ。大切な品物は出....
婦人改造と高等教育」より 著者:与謝野晶子
持とうと注意さえすれば自然に花の綻ぶように内から開けて来る直覚作用です。 私の度度述べることですが、特に「女の読物」として書かれた低級な物ばかりを読むのは、大....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
て、かめが卵を生みつけた砂の表面は、日中はよく陽があたって、砂の中は、ほどよい温度度をたもっているので、卵があたためられて、かえるのである。こうして、三十五日す....
澪標」より 著者:外村繁
わり、正義派的な言動をするようになる。下級生のために、教師に喰ってかかったことも度度ある。休暇中女中を庇って、母と衝突したことも数えきれない。しかし修学旅行で旅....
夢幻泡影」より 著者:外村繁
言うのだった。 「ねえ、こんな時には、起こしてくれるんだよ」 「だって、あんまり度度、すまないもの」 「すむも、すまないも、場合によるよ」 「そんなら、ついでに....
神仙河野久」より 著者:田中貢太郎
て、十二日の午後三時|比貝塚の寓居へ帰った。 河野はそれを初めとして、その後も度度葛城山へ登り、吉野へも往って照道寿真に面会した。照道寿真もまた時どき河野の家....
南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
ながら、私たちは、縁側をすっかりあけ放した広い座敷で、朝から絵を描いた。「人間一度度胸をきめれば平気さといつかおっしゃいましたが、その通りですね」というような話....