座を占める[語句情報] » 座を占める

「座を占める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

座を占めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少女病」より 著者:田山花袋
言って、あまり離れてもきわだって人に怪しまれる恐れがある、七分くらいに斜に対して座を占めるのが一番便利だと。男は少女にあくがれるのが病であるほどであるから、むろ....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
棚の側で、なつかしい人なだけあわれはわけても深い。表半分雨戸をしめ家の中は乱雑、座を占める席もないほどである。 「秋蚕ですか、たくさん飼ったんですか」 「あァに....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
稿してこんなことを云った。 「僕は電車に乗ると、なるべく若い婦人の身近くを選んで座を占める。彼女の生ぐさい体臭や、胸を衝くような官能的色彩に富んだ衣裳や、その下....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
て、なかなか坐り心地がよいわい」 気概五十四郡の主を呑むかのごとくに、どっかと座を占めると、何思ったかふいッと命じました。 「板を持てッ。看板に致すのじゃ。何....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
として主侯の近くへ進んでいったのは、同じお気に入りの近侍波野千之介である。しかし座を占めると同時だった。不思議なことにその千之介が君前の憚りもなく、突然、声をこ....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
一寸下等になっては相撲が台頭し、それからいわゆるスポーツとして野球が絶対王権の玉座を占めるに至った。しかしもう野球となっては、ほとんど日本魂がなくなっているから....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
いうことを、思い合わせねばならぬ。して見ると批判的要素で以て押して行けば独自の王座を占めるべき『朝日』が、その批判的格調を落すとなれば、どっち道、重要ニュースは....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
スやツリーを飾り、綺麗なデコレーションを施し、これが暮の街のショーウィンドーの王座を占めるようになったと同じであります。そしてこのクリスト教とともに欧米の文化を....
可愛い女」より 著者:神西清
生あまり顔なじみのないさる年配の婦人がコーヒーを飲みにやって来て、食卓に向かって座を占めるが早いか、早速もうプストヴァーロフのことをしゃべり出して、あの人はしっ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
夕食の食卓は、これもやはり地域別に配列され、双方の塾生が一人おきに入りまじって座を占めることになっていた。ごちそうはあたたかいさつま汁だった。食事の作法は、双....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ちの日本人なら大がい知っているが、日本の肉屋がハキダメへ捨ててるものが獣肉中の王座を占める珍味だということは全く知られていない。 私が去年ヒダの高山でランチを....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
りて、松明の火を燈台に移す。与五郎はその松明を打消して、おなじく縁にあがり、両人座を占める。) 与五郎 姉御はいずかたへ参られたであろうな。 玉琴 さあ、近所へ....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
また慕わしいとは、よくよくのことでござりまする。(語る中に、そろそろと女子の傍へ座を占める。女子は困りたる風にて傍による)いつぞや二人して、河添いの牧場を歩いて....
弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
優美な姿であることにもちろん異存はない。なんといっても四月から当分の間、あゆが王座を占める一つの理由は、この季節には、これに匹敵するような気の利いたうまい魚が他....
小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
高級美食とは言いがたい。その点では、関東方面にあるやなぎがれいなど、実に特等品の座を占めるだろう。と言っても、松葉がれいは、その漁獲がやなぎがれいのごとくおびた....