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「座像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

座像の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
かりらしく、それを天保時代の風俗のような髻に束ねてあった。それは見台をわきにした座像で、三蓋菱の羽織の紋や、簡素な線があらわした着物の襞※にも特色があったが、こ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
供養を賜はりし後、裏庭に在りし大栴檀樹を伐つて其の赤肉を選み、手づから弥勒菩薩の座像を刻みて其の胎内に彼の絵巻物を納め、吾家の仏壇の本尊に安置し、向後この仏壇の....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
を忘れて製作に熱中し出した。 そうして筆者等の予算計画の約二倍大に当る等身大の座像をグングン捏ね上げ初め、十数日後には、筆者等が見ても故人に生写しと思われる程....
飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
に、収穫がなかったのである。 私の見たものでは国分寺の本尊、伝行基作という薬師座像と観音立像がすばらしかった。伝行基という手前のせいか、これだけは国宝であった....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
もかれを迎えて、かれの来るのを予期してでもいたように見える。鎌倉期の阿弥陀如来の座像である。それにしても例の中性的な弱々しい表情もなく、そんなマンネリズムから遠....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ダイオージとよむ)の身長三尺ぐらいの小さな仁王一対と、国分寺の伝行基作という薬師座像と観音立像とヒダのタクミ自像二ツですが、大雄寺の仁王は日本一の仁王だと思いま....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
すまして、よく見えない眼を庭へ向けているところだった。それは、お高がよく見慣れた座像であった。お高は、泪《なみだ》が流れるのにまかせてそのまま若松屋惣七のまえへ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
動だもせぬ、木像の安置せられたような彼――いかなる名匠の鑿をもってしても、かかる座像を彫ることは不可能に相違ない。それは生きている、生存しつつある木像なのだ。大....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
代目小さん・今輔・馬生・文楽・左楽・つばめ・志ん生・燕枝の柳派の人たちで建立した座像のお地蔵様ばかりがここに残っている。その建立した人たちも今ではみな死んでしま....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
曇りの今にも降り出しそうな昼。ほの暗い国宝の御堂の床に立って、建礼門院平ノ徳子の座像をさし覗いていると、案内してくれた院主の尼君が、そばから蝋燭の灯をかかげて、....
遠野物語」より 著者:柳田国男
の水上なり。これより栃内の民居まで二里を隔つ。琴畑の入口に塚あり。塚の上には木の座像あり。およそ人の大きさにて、以前は堂の中にありしが、今は雨ざらしなり。これを....
仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
うしても捨てがたかった。または金堂の中にいて轟く雷鳴を聞きながら、空海四十二歳の座像を見ていたときなどは、寂しい心持になってこの山上を愛著したのである。 併し....