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庭師
「庭師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庭師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「庭」より 著者:太宰治
ひとりごとのように低く言いつづける。「いつも綺麗《きれい》にして置こうと思えば、
庭師を一日もかかさず入れていなければならない。それにまた、庭木の雪がこいが、たい....
「梨の実」より 著者:小山内薫
それは子供の頭でした。 「わあ、大変だ。孫はきっと天国で梨の実を盗んでるところを
庭師に捕まって、首を斬られたに違いない。ああ、わしはどうして孫をあんな恐ろしい所....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
吸いながら、首を傾げてじっとうち眺め、また立っていっては働いた。それは実に丹念な
庭師だった。 借家の狭い庭の、草や木や石だ。自殺しようという者にとって、そんな....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
れ込んで、是非とも連れて来てほしいと達吉に依頼しました。丁度、建て増しのために、
庭師もはいっているし、稲荷さんを祭るには、早速場所の選定をしなければならないから....
「早春」より 著者:豊島与志雄
た。物置小屋を廻ってゆくと、鍵の手になってる建物が、わりに広い庭をかかえている。
庭師の手にかけた庭ではないが、百日紅や野薔薇や八手や檜葉や椿などが、広場の向うを....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
上がりますし、せめて庭などお手入れなされたら」 用人三右衛門の進めに従い、庭へ
庭師を入れることにした。 紋太郎|自ら庭へ出てあれこれと指図をするのであった。....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
間にどこから来たのだろう? 森の奥から来たらしい。町人でもなければ農夫でもない。
庭師のような風俗である。そのくせ刀を差している。その立派な体格風貌、その点から云....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
かろう。狭い庭に思いきり大木と大石とを配置して見よう。 鶴見はそう思い附いて、
庭師を呼んで、その処置をすっかり委せることにした。
庭師は若い時分名古屋へ行って修....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
、奥医師の玄達を連れて来るように吩咐け、それから中納言家へ頭を下げ、 「数日前に
庭師を入れまして、樹木の植込み手入れ刈込み、庭石の置き換えなどいたさせました」 ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
いえない優しさがこもっていた。あらゆることが母の望みと便宜にかなうようにされた。
庭師が異国のりっぱな植物を庇うように、父は母をあらゆる荒い風から庇い、母のおとな....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
やりましては、世間への見場悪く、……いっそ、道了様を屋敷内へお遷座ししたらと……
庭師に云い付け、同じ形を作らせましたところ、虚妄の父、それを同じ道了様と思い、こ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
探偵小説を書いて一モウケしてやろうともくろんでいたのである。 わが家のツツジを
庭師にきくと 「これはキリシマですよ。山ツツジは町の中にはめったにないですよ」 ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
雉子が羽ばたいていたところだったのです。「庭木の移植には時期がありますから」と、
庭師が来て、石灯籠を崩したり、庭のそこここを掘返したりいたします。それで、「一番....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
を中に挟んで日頃潜在して居た二人の憎悪が表面切って燃え立った。 ジョーンの父は
庭師であった。近頃では彼の父のお顧客はロンドンの西郊の方にばかり殖えた。欧洲の何....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
ど講釈してみたところで、職人の実生活となんのかかわりもないことなのである。釜師、
庭師、竹切りと、次々親切者はそれぞれの講釈はしてみたかろうが、所詮かいないことで....