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庸人
「庸人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庸人の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
なものにもその人相応な歴史はあるものである。 鶴見は今そんな風に思ってみて、凡
庸人の歴史を回想の中に探ろうとしている。 雲ともつかず霧ともつかぬものが一面に....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ゞかしこなる光を望め。
汝は軽らかに閉ぢ籠められたり。
眠は殻なり。剥ぎ棄てよ。
庸人の群たゆたひ避けむとき、
自ら励ましてなすことをな忘れそ。
心得て疾く手を著....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
御心づきになる事であろうと信じます。 『八犬伝』の中の左母二郎などという男は、凡
庸人物というよりもやや奸悪の方の人物でありますが、まさに馬琴の同時代に沢山生存し....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
有無に拘らず生活が一定水準以下にあるものが失業者であるのか。一週間に一度か二度日
庸人夫に出る割合になっているカード登録者は一体失業者であるか無いか。それから又抑....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
そして常に身を危うくすることを恐れ然りとも否とも言わない微妙な才能をもってる、中
庸人士らの無味乾焼さを、それに対立さしていた。しかしやがて彼は、冷静|慇懃《いん....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
なったことがある。また、如何なる英雄も斯かる場合には凡庸な行為をなし、如何なる凡
庸人も斯かる場合には勇壮な行為をなすということが、凡人主義の名のもとに作品の主題....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
は下《しも》のような詩を作った。 円覚曾参棒喝禅。 瞎児何処触機縁。 青山不拒
庸人骨。 回首九原月在天。 九 忘るべからざる二十四日の出来事を書こうと思っ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
てい》であるから、天下の凡眼はこれらの知識巨匠をもって昏睡仮死《こんすいかし》の
庸人《ようじん》と見做《みな》して無用の長物とか穀潰《ごくつぶ》しとか入らざる誹....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
わら》にあった姙婦を驚かせ流産せしめ、その夫の梵士怒って、爾今《じこん》、羅摩、
庸人《ようじん》になれと詛う。それより羅摩生来の神智を喪う。その後ほどなく父王の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ぷりしない者でも個人としてのうそを少量につくだけで過せる時があったりして。同じ凡
庸人なら科学の方が罪があさいと申すわけ也。 七月二十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛....
「ある思想家の手紙」より 著者:和辻哲郎
は同胞らしい愛を感じます。現世の濁った空気の中に何の不満もなさそうに栄えている凡
庸人に対しては、烈しい憎悪を感じます。安価な楽天主義は人生を毒する。魂の饑餓と欲....