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「廃娼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

廃娼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
たとき、特殊《とくしゅ》飲食店を開いている伯父《おじ》さんから商売|柄《がら》の廃娼《はいしょう》反対演説を聞いたあと、こっちも一杯|機嫌《きげん》で、あなたの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ら音も無しに動いて来ました。 案内者は振り返りながらまた話しました。上州一円に廃娼を実行したのは明治二十三年の春で、その当時妙義の町には八戸の妓楼と四十七人の....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
いので、兎に角通すように妻に命じた。 この木藤と云う人は後に分ったのであるが、廃娼運動の急先鋒で、遊廓で廃娼演説をやったり、娼妓の自由廃業を援助したりして、楼....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ぶりで、そこから近いその遊廓の話をして聞かせることがある。群馬埼玉の二県はかつて廃娼論の盛んであった土地なので、その管内にはだるまばかり発達して、遊廓がない。足....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ら割り出さぬ限り、男女共学も性教育も決して実を結ぶことは出来ぬ。婦人参政権問題も廃娼問題も皆そうだ。――教育の根柢は学校でも家庭でもなくて正に社会だ。そして女性....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
周囲から注ぎこまれ、おそわったとおりに片づけているところは強い関心をそそられる。廃娼運動が全国におこったのは明治五年であったし、男女交際の自由がとなえられてもい....
婦人作家」より 著者:宮本百合子
八七二年の人身売買禁止法、男子に等しい義務教育令の制定や、福沢諭吉の一夫一婦論、廃娼論とならんで、森有礼が『明六雑誌』に「妻妾論」を書いて当時のいわゆる「権妻」....
女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
こにおいて歴史的屈折をよぎなくされている。 従来欠かさず提出されていた婦選案、廃娼案が昭和八年の議会からは、提出されなくなった。これは日本のどのような施政の方....
若き世代への恋愛論」より 著者:宮本百合子
は貧困化している。売られて都会に来る娘の数は年を追うて増加して来ている。矯風会の廃娼運動は、娘が娼妓に売られて来る根源の社会悪を殲滅し得ない。 小さい自作農の....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
復古現象の分析 ――家族主義のアナロジーに就いて 便宜上、話を廃娼運動から初めよう。内務省は一九三五年の四月を期して全国的に公娼廃止を断行する....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
外にも男子自身なのだが)、一等問題になるのは自然なことだろう。 こうした一般的廃娼運動の意識が、東北凶作地方の貧窮農民の問題と結び付いたのが、所謂「身売防止」....
私娼の撲滅について」より 著者:与謝野晶子
衛生的に人類を毒するものであることはいうまでもない。この意味において主張せられる廃娼説の正しいことは何人も認める所である。しかし廃娼説を実行に移そうとすると、娼....
我が宗教観」より 著者:淡島寒月
読んでいましたから、外人の牧師とも話が合って、嘱望されてそれらの外人牧師と一緒に廃娼問題を説いた事もありました。こんな具合でしたから高橋の本誓寺という寺の和尚な....
柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
たって、短冊《たんざく》を書いて売った。家庭には荒くれた男の人たちも多くいるし、廃娼《はいしょう》したい妓《ひと》たちも飛込んできた。そのなかで一ぱいに立ち働ら....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
て最後の幕を閉じたのは啻に清廉や狷介が累いしたばかりでもなかったろう。 沼南は廃娼を最後の使命として闘った。が、若い時には相応に折花攀柳の風流に遊んだものだ。....