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「延々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

延々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西湖の屍人」より 著者:海野十三
は毎日お天気つづきだった。 湖の左手には、黛をグッとひきのばしたように、蘇提が延々と続いていた。ややその右によって宝石山の姿がくっきりと盛上り、保叔塔らしい影....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
間に結納が取り交わされるばかりになっているのであるが、世間が騒しいので、そのまま延々になっているのだ。 だから、成田邸の勝手は、自分の家同様に心得ている。 ....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
軍急なれば、其儘に見合せがたし。敵の出で来るを恐れては勿々軍はなるまじ、その上に延々とせば、横山|終に攻落さるべし。但し此ほかに横山を援けん術あるべきや。今に於....
剣侠」より 著者:国枝史郎
いかと、疑われるほどに濃い睫毛で、下眼瞼を色づけたまま、閉ざされている切長の眼、延々とした高い鼻、蒼褪め窶れてはいたけれど、なお処女としての美しさを持った、そう....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ている」は底本では「姿がうずくまっている」]。それを黄金の杖で繋ぎ、向かい合って延々《のびのび》と立っているのが、女方術師の華子である。 黒の道教の道服を纒い....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
うと毛ば立った太い眉、耳まで続いていないだろうか? そう思わなければならない程、延々と長く引かれている。だがその下に凝然と、見据えられた眼を見た人は、ああこの女....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
沙汰に及んだり広い天地を狭く暮らしたりする。いっそ両刀を投げ出して了ったら却って延々とするかもしれない。俺は思い切って百姓になろう」 彼は不図悟入したのであっ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
月末には迎いに行く事になっていたが、丁度刑事に踏み込まれたりして、迎いに行くのが延々になり、子供にこんな有様を見せたりするのは面白くなかったし、幸い子供も帰りた....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
で、弁士が声を張りあげた。 「彼等幾多の犠牲的青年によって、遂に成功するに至った延々何百|哩の鉄道は、長蛇の如く野を走り、山を貫き、昨日までの蛮地は、かくして国....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
駅へも、二十分ぐらいで到着できる熱海駅へも向わずに、ただヤミクモに風下へのがれ、延々二里の闇路を走って、多賀まで落ちのびたのである。 彼の前方から、逆に熱海を....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
へ送ってって上げて、実は番頭さんを去年助けたが、お刀が出たら/\と思って、今まで延々に成ったため御沙汰しねえは重々済みませんが、番頭さんを連れて来ましたと、お嬢....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
乗せて田舎へ連れて行って、暢気《のんき》な処へ隠居さしてえと思うのだ、随分寿命も延々《のび/″\》するから彼方《あっち》へお引込《ひっこ》みよう」 勘「独身《....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
引取って、野辺の送りを致すやら実に転覆《ひっくりかえ》るような騒ぎ、それで段々|延々《のび/\》になって彼《か》の娘の事をきく間《ま》もないほどの実に一通りなら....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
まぐらしい程まいります。 米屋「はい御免よ、誠に御無沙汰をしました、時にねえ余り延々に成りますから、今日は是非お払いを願いたいものだ」 まき「誠にお気の毒さまで....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
傭いましょう」と快く承諾されたのでありました。私はこの言葉を聞いた時は、まことに延々するほど嬉しく思いました。 岡倉覚三先生という方は、実に物解りの好い方であ....