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「延ばす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

延ばすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
の顔だ……酒を買ってきてくれ。誰かそこいらに金を持っている奴はないか。俺の寿命を延ばすとおもって買ってきてくれ。飯なんぞもぞもぞと食ってる奴があるかい、仙人みた....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
だった。間に合う。いかねばならない。しかし、もうイーチャン打って、ずるずる時間を延ばすことが、この際のごまかしだった。 無理に京吉をひきとめていると、風のよう....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ので、ひょっとしたらこれは塾長たる自分の落度になりはしないかと思い、報告は後日に延ばすことにした。いずれ機会はいくらでもあろう。あの男のことだ! その豹一はもう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、この頃は葬式《とむらい》が多いので棺桶が間に合わない。よんどころなく夕方まで延ばすことにして、係り合いの人々は怖るべきコロリの死体を守りつつ一日を暮らした。....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
無事に執着しようとしている。何事もなく昨日の生活を今日に繋ぎ、今日の生活を明日に延ばすような生活を最も面倒のない生活と思い、そういう無事の日暮しの中に、一日でも....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
らよく言われないだなどと省作は考えている。この場合に臨んではもう五分間と起きるを延ばすわけにゆかぬ。省作もそろそろ起きねばならんでなお夜具の中でもさくさしている....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
処分場が見え出した。 ここまで来ると潮はかなり引いていて、背の高い子供は、足を延ばすと、爪先がちょいちょい底の砂に触れた。 小初は振り返って云った。 「さあ....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
い。女も情夫があったが、この老人と約束通りに別れる事が残酷のように思われて、一年延ばす事を承諾する。一年が経つ。そのうちに女は情夫の子を産む。今度は女の方から一....
少年探偵長」より 著者:海野十三
と、手を延ばそうとした。しかし手足は、椅子車に厳重にしばりつけられてあって、手を延ばすどころではない。彼は残念がって、かッと口をあくと、頭目のさしだしている黄金....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
、四坪ほどの雨の懸らない煉瓦敷の外廊下があった。そのずっと左の隅に立って手を上に延ばすと、玄関の扉と同じ面にある壁の装飾浮彫の紅葉見物の屋形船に触わる。田鶴子が....
屏風祭」より 著者:上村松園
。 よく昼食を頂いたり、また夕御飯を出してくださったりしたが、来年の祇園祭まで延ばすのが、何としても惜しくて仕様がない、そこで、厚かましいとは考えながら遠慮な....
審判」より 著者:カフカフランツ
は、まったく自分には手の施しようもないように思った。 「Kさん、引っ越しの残りを延ばすように申しましょうか? もしお望みなら、すぐそうしますけれど」 「いや、ビ....
変身」より 著者:カフカフランツ
っては朝食は一日のいちばん大切な食事で、いろいろな新聞を読みながら何時間でも引き延ばすのだった。ちょうどまむかいの壁には、軍隊時代のグレゴールの写真がかかってい....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
起こさざらしむという。 そのほか、一般に時間を確守せざること、なにごとも明日に延ばす風あること、郵便物の間違い多きこと、応接辞礼に巧みにして意と口と一致せざる....
妖影」より 著者:大倉燁子
のあるのに驚いた。一種の神経痙攣とでもいうのだろうか、卓上の物を取ろうとして手を延ばす時、彼の手がその物を掴む前に空中に英字のようなものを描くのだ。最初は誰かに....