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延び
「延び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
延びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
音、――それぎりひっそりしてしまったのは、もうどこか塀《へい》の外へ、無事に落ち
延びたのでございましょう。が、突き放された相手の一人は、格別跡を追おうともせず、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
じょう》を致しました時、すんでに命も取られる所を、あなた様の御かげによって、落ち
延びる事が出来ました。その御恩を思いますと、あなた様の仰有《おっしゃ》る事に、い....
「影」より 著者:芥川竜之介
れは、――」
陳は際《きわ》どい息を呑んで、手近の松の幹を捉《とら》えながら、
延び上るように二階の窓を見上げた。窓は、――二階の寝室の窓は、硝子《ガラス》戸を....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
島と云う所から、餓鬼《がき》の形容を使ったのです。なるほどその時の俊寛様は、髪も
延びて御出《おい》でになれば、色も日に焼けていらっしゃいましたが、そのほかは昔に....
「或る女」より 著者:有島武郎
走らした。
五年たっても昔のままの構えで、まばらにさし代えた屋根板と、めっきり
延びた垣添《かきぞ》いの桐《きり》の木とが目立つばかりだった。砂きしみのする格子....
「或る女」より 著者:有島武郎
に近づかせないで置いたのだったが、倉地の言葉を聞いてみると、そうしておくのが少し
延び過ぎたと気がついた。また新しい局面を二人《ふたり》の間に開いて行くにもこれは....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
て噛《か》みついた。彼れはとうとう女を抱きすくめて道路に出た。女は彼れの顔に鋭く
延びた爪をたてて逃れようとした。二人はいがみ合う犬のように組み合って倒れた。倒れ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
私たちはこの損失のお蔭で生活に一段と深入りしたのだ。私共の根はいくらかでも大地に
延びたのだ。人生を生きる以上人生に深入りしないものは災《わざわ》いである。
同....
「星座」より 著者:有島武郎
ことに柿江の注意を牽《ひ》いた。
鉢巻の取れた子供の羅紗帽《らしゃぼう》を長く
延びたざんぎり頭に乗せて、厚衣《あつし》の恰好をした古ぼけたカキ色の外套を着て、....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
漂う船の前まで来ると、波の山は、いきなり、獲物に襲いかかる猛獣のように思いきり背
延びをした。と思うと、波頭は吹きつける風にそりを打って※とくずれこんだ。 はっ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
弟子になって、主人と喧嘩をして、其の細君にひどい復讐をして、とうとう此処まで落ち
延びた次第を包まず物語った。ヤコフ・イリイッチの前では、彼に関した事でない限り、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
やや広い筒袖で、色合いは紫がかって居りました、下衣は白地で、上衣より二三|寸下に
延び、それには袴のように襞が取ってありました。頭髪は頭の頂辺で輪を造ったもので、....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに
延び、小鳥は歌いさえずります。その時一|羽の鳩が森のおくから飛んで来て、寝ついた....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
す。 花田 よし。それからドモ又の弟にいうが、不精をしていると、頭の毛と髭とが
延びてきて、ドモ又にあともどりする恐れがあるから、今後決して不精髭を生やさないこ....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
大会をやって、大いに軍事研究団反対の気勢を挙げてほしいと言う。私は、卒業の時期が
延びて、まだ学校に籍があって雄弁会に関係して居たものだから、雄弁会主催という事で....