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弁
「弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
「何しろこの頃《ごろ》は油断がならない。和田《わだ》さえ芸者を知っているんだから。」
藤井《ふじい》と云う
弁護士は、老酒《ラオチュ》の盃《さかずき》を干《ほ》してから、大仰《おおぎょう》....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
人の顔を眺め返した。この国の歴史に疎《うと》い彼には、折角《せっかく》の相手の雄
弁も、半分はわからずにしまったのだった。
「支那の哲人たちの後《のち》に来たのは....
「河童」より 著者:芥川竜之介
伴い、平和は倦怠《けんたい》を伴うとすれば、――?
×
自己を
弁護することは他人を
弁護することよりも困難である。疑うものは
弁護士を見よ。
....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
「そうすると、向うから、小さな女異人が一人歩いて来て、その人にかじりつくんです。
弁士の話じゃ、これがその人の情婦《いろおんな》なんですとさ。年をとっている癖に、....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
すなはま》へ行った。これは珍らしいことではない。彼は一月五円の貸間と一食五十銭の
弁当とにしみじみ世の中が厭《いや》になると、必ずこの砂の上へグラスゴオのパイプを....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
した。
「それだから喧嘩になるんじゃないか? 一体お前が年嵩《としかさ》な癖に勘
弁《かんべん》してやらないのが悪いんです。」
母は洋一をかばいながら、小突くよ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
神父はいよいよ勝ち誇《ほこ》ったようにうなじを少し反《そ》らせたまま、前よりも雄
弁に話し出した。
「ジェズスは我々の罪を浄《きよ》め、我々の魂を救うために地上へ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
てしまえば、正に菊池は立派な苦労人である。その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な
弁舌を弄する人間でも、菊池と或問題を論じ合うと、その議論に勝った時でさえ、どうも....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
時が来れば、それこそ江口がほんとうの江口になり切った時だ。 江口は過去に於て屡
弁難攻撃の筆を弄した。その為に善くも悪くも、いろいろな誤解を受けているらしい。江....
「墓」より 著者:秋田滋
伏せてしまい、両手を縛りあげて、その男を交番へ引ッ立てて行った。 その男は町の
弁護士で、まだ年も若く、名をクールバタイユと云って、金もたんまり持っていて、なか....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
轟きさながらに地獄の如く、各種商店の飾りあだかも極楽の荘厳の如く恍然として東西を
弁ぜず、乱雑して人語を明らめがたし。我自ら我身を顧りみれば孑然として小虫の如く、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
方で研究をすると同時に、他方では講演も上手になろうと苦心し、スマート氏について雄
弁術の稽古をし、一回に半ギニー(十円五十銭)の謝礼を払ってやった位、熱心であった....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るいは、黄昏のなかをぶらぶら散歩しながら、娘を口説くのだった。この時刻は恋人が雄
弁をふるうのにいちばん好都合なのである。 どうすれば女を口説きおとすことができ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
、情けない声をしぼって哀れを訴えた。また、正午の野良で、一株の木のまわりに集って
弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、一片の麪麭をねだった。そして二人は、溝....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
彼は高等法院長として、清廉な法官として世を去った。非の打ちどころのないその生涯は、フランス中の裁判所の評判になった。
弁護士、若い法律顧問、判事たちも、二つの凹んだ眼が光っている彼の痩せた顔に、大き....