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弄る
「弄る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弄るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蓮香」より 著者:田中貢太郎
、女の私が見てさえ可愛いのですもの、男の方は、ね、え」 桑は、 「せんには履を
弄るとすぐ来たから、疑うことは疑っていたものの、鬼ということは思わなかったよ、今....
「計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
、何たる卑劣漢! 少佐が袋の鼠で、どんな事があっても逃げ出せないと知って、わざと
弄る為に、秘密書類のありかを毒々しく云うのです。 「有難う。シムソンさん」少佐は....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
最も危険なのだ。日記をつけるのは間接にそれを見つめることであり、この白色の溶液を
弄るのは直接にそれを見つめることなのだ。日記をも薬液をも投擲しようかと思う。 ....
「秋の幻」より 著者:豊島与志雄
た。空は一面に日の光を含んでいた。 そしてなんとはなしに二人は庭に下りて秋草を
弄ることもあった。 生垣の外からよく村の人達が彼に声をかけて行った。 「今日は....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
方へ駈け出してゆく。帯の紐か袂に付けている鈴でもあろうか、躍ってゆく影につれて、
弄るような美い音がして、二人の耳へ妙に残った。 「なんだろ?」 茫然と、武蔵の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「いかにも、それに違いない。しかし、わしという人間の名は」
「こいつが、おれを
弄る気か」
「なんの、大真面目。これ以上の真面目はない。――小次郎先生、わしは誰....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の下に圧している高氏の面をながめる様といい、四肢でするその行為といい、美獣が餌を
弄るときの姿態とおなじだった。いたずらッぽい気長さで我慢づよくて、下から一つや二....