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弊風
「弊風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弊風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
翁の一生涯は極めて、つつしまやかな単純なものであった。 維新後、西洋崇拝の
弊風が天下を吹きめぐって我国固有の美風良俗が地を払って行く中に毅然として能楽の師....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
いなかった。この分化が起こった後に来る必然の結果は、他人の目で物を見る常套主義の
弊風である。その一つの現象としては古典の玩弄、言語の遊戯がある。芭蕉はもう一ぺん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
山白雲との、うちとけた談話がはじまります。 田山白雲は、今の画界の現状と、その
弊風とを語りました。 「あの書画会というやつ、あれがいけないんです……柳橋の万八....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を打破したが、思想のうちにおいてそれをまったく根絶することはできなかったのです。
弊風を破る、それだけでは足りない、風潮を変更しなければならない。風車はもはや無く....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ものあれば、該囚徒は織物工場において十スーずつ賃金を差し引かる。これ請け負い者の
弊風なり。織物はそのために粗悪となるものに非ざればなり。
八、フォルス監獄を訪....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
て、彼を人気天狗に仕立て上げてしまう外には何にもなし得ないものだ、そういう社会の
弊風をあさましいものと見た、その中へ春秋社の神田豊穂君だの公園劇場の根岸寛一君だ....
「役人学三則」より 著者:末弘厳太郎
の不存在によってとかく行動の拒絶を理由づけようとするのが、現在の役人一般に通ずる
弊風であって、私はそれを法治主義の誤解に由来するものとして排斥したいのである。 ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ところは小林さんなどには比すべくもない小人数だが、それでさえ全くコンミッションの
弊風を絶滅するには、かなり長年月の苦心を要した。世間がそんなふうであるから、私の....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ること、店の商品や原料を持ち帰ることは公然の秘であることを聞かされ、私は断然この
弊風を根絶しようと決心した。 そこで私は月給を従来の二倍かにして、その生活安定....
「迷信解」より 著者:井上円了
のはなはだしきなり」と説いてあるが、これ維新前のことなれども、明治の今日なおこの
弊風を存するは、一層慨嘆すべきことと思う。 およそ神仏は道徳の本源、正理の本体....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
いしょう》の歴史的考証を専《もっぱら》とし舞台上の絵画的効果を閑却せしより、その
弊風今日に及びてもなほ歌舞伎座の新作物においてこれを見る。今それらの新劇と古き芝....
「鍋料理の話」より 著者:北大路魯山人
儀式的なことに、無闇と飾りたてたりしながら、平常はぞんざいにものごとを扱っている
弊風があるのを、私はどうもおもしろく思わない。美的生活をなそうとするには、特別な....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
これは法制上にも立派に認められておりました。孝徳天皇の大化の改新の際には、従来の
弊風はすべて打破されて、一切の人民は平等になったかの如くに思われますが、しかもこ....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
に起因した、堕胎とまびきなものであった。したがって今でも僻陬の地には、生児制限の
弊風が往々にして認められる。或る地方では明治三十九年の丙午の年に生児が少かったと....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
実践せられつつあるが故に、一度最大方針が国民に理解せられたならばたちまち数十年の
弊風を一掃して、東亜諸民族と心からなる協同の大道に驀進するに至るべきを信ずる。 ....