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弓張
「弓張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弓張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
になった。が、それでもまだ気になるのか、眼は机の上を離れない。彼はこの机の上で、
弓張月《ゆみはりづき》を書き、南柯夢《なんかのゆめ》を書き、そうして今は八犬伝を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を、更にその上から風呂敷に包んだのである。彼はそれを背負って屋敷から貸してくれた
弓張提灯をとぼして、稲川の屋敷の門を出た。ゆう六ツといってもこの頃は日の短い十一....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
行燈、九本の蝋燭、四ツ目の提灯、蛇塚を走る稲妻、一軒家の棟を転がる人魂、狼の口の
弓張月、古戦場の火矢の幻。 怨念は大鰻、古鯰、太岩魚、化ける鳥は鷺、山鳥。声は....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
てスラスラと読めるようになった。それから後は親類の家などへ往って、児雷也物語とか
弓張月とか、白縫物語、田舎源氏、妙々車などいうものを借りて来て、片端から読んで一....
「運命」より 著者:幸田露伴
が古小説家の雄を曲亭主人馬琴と為す。馬琴の作るところ、長篇四五種、八犬伝の雄大、
弓張月の壮快、皆|江湖の嘖々として称するところなるが、八犬伝
弓張月に比して優るあ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の木戸口ぐらいな心得違いをしていた私たちは、幟や万燈には及ばずとも、屋号をかいた
弓張提灯で、へい、茗荷屋でございます、旅店の案内者ぐらいは出ていようと思ったの大....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
と、入交って、門際へどっと駈出す。 夫人も、つい誘われて門へ立った。 高張、
弓張が門の左右へ、掛渡した酸漿提灯も、燦と光が増したのである。 桶屋の凧は、も....
「鵺」より 著者:楠山正雄
「ほととぎす 名をば雲井に あぐるかな。」 と歌の上の句を詠みかけますと、 「
弓張り月の いるにまかせて。」 と、頼政があとをつづけました。 なるほど評判....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
階段の降り口へ突進して行った。 頼母の家来の一人の武士が、いつの間に用意したか
弓張提燈をかかげて、階段を駆け上り姿を現わした。 その脳天を真上から、主税は一....
「あのころ」より 著者:上村松園
親子で見あったものでした。 馬琴の著書など多くて――里見八犬伝とか水滸伝だとか
弓張月とかの本が来ていましたが、その中でも北斎の※絵がすきで、同じ絵を一日中眺め....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
覧なさいまし、『八犬伝』は結城合戦に筆を起して居ますから足利氏の中葉からです、『
弓張月』は保元からですから源平時代、『朝夷巡島記』は鎌倉時代、『美少年録』は戦国....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
リ以上の老熟を示しておる。『美少年録』が(未完成ではあるが)代表作の一つである『
弓張月』よりもかえって成功しているはその一例である。 四 『八犬伝....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
は、曲亭馬琴の小説類が殊に多うございました。たとえば水滸伝だとか、八犬伝だとか、
弓張月だとか、美少年録だとか、馬琴のものならほとんど総べて揃って居たように記憶し....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
旅籠屋という旅籠屋の目ぼしいのを、御覧の通りこの人数で―― 提灯が五張、それも
弓張、馬乗の定紋つきであった。オーバアの紳士、道行を着た年配者、羽織袴のは、外套....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
がら彼の舞台をたびたび見物するの機会を得なかった。それでもわたしはここの舞台で「
弓張月」の濛雲国師や、「扇屋熊谷」の姉輪平次や、「ふた面」の法界坊や、「腰越状」....