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「弓杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弓杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
きん》は一人、黒い水干《すいかん》に太刀《たち》をはいて、胡※《やなぐい》を背に弓杖《ゆんづえ》をつきながら、一同を見渡して、あでやかな口を開いた。―― 「いい....
海の使者」より 著者:泉鏡花
火、退散だ」 それみろ、と何か早や、勝ち誇った気構えして、蘆の穂を頬摺りに、と弓杖をついた処は可かったが、同時に目の着く潮のさし口。 川から、さらさらと押し....
日輪」より 著者:横光利一
うた者の極度の疲労と饑餓の苦痛が現れていた。彼は這いながら岩の上に降りて来ると、弓杖ついて崩れた角髪をかき上げながら、渦巻く蔓の刺青を描いた唇を泉につけた。彼の....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
の朝風は実にその食物や水よりもはるかに心持よく、自分は気が清々として来た。自分は弓杖を突いて……というのも凄まじいがいわゆる弓杖を突いて、あたりに敵もいないのに....
私本太平記」より 著者:吉川英治
正成は弓杖をつき、すこし跛をひいていた。 もっとも、千早の城兵はいま、五体満足なのは....
私本太平記」より 著者:吉川英治
すぐ、道は千早の旧籠城跡を下に見ながら急坂を降りかけていた――当時、足に負傷し、弓杖ついて、ここを登り下りしたことやら、餓死寸前にあった城兵の、あの顔、この顔、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
てた折れ弓を見つけて、 「たれか、あれを拾うて、兄上へ差上げい。おくるしそうだ。弓杖にして行かれるといい」 と、言った。 ここへ来ては金剛千早の日の古傷もあ....