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「弔う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弔うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
はよく判らない。その疵がもとで死んだともいい、あるいは次郎左衛門と八橋との菩提を弔うために出家したともいい、ある町家の入り婿になって七十余歳で明和の末年まで生き....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の友達の弟に逢ってしきりに過去の罪を謝した。自分たちが手にかけた大尽一家の菩提を弔うばかりでなく、長左衛門が仕置に逢ったのは二月四日で、その命日に毎月かならず放....
婦系図」より 著者:泉鏡花
六十近い老人で、孫子はもとより、親類らしい者もない、全然やもめで、実際形影相弔うというその影も、破蒲団の中へ消えて、骨と皮ばかりの、その皮も貴女、褥摺れに摺....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
売っている。松島でも紅蓮を売っている。甘酒を飲んで煎餅をかじって、不運な女二人を弔うと云うのも、下戸のわたしに取ってはまことにふさわしいことであった。 最後に....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
之でおとしも、お信も浮ばれるわい」と、申して非業に倒れた娘と、悲嘆に死した妻とを弔うて居りました。その夜は、仏壇に燈明を灯して、姉と母との霊に、犯人逮捕の欣びを....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
だくとなっていた。そのちぢれたような汚れた毛からは、湯気が立った。 棺は死人を弔うにふさわしく、支那式に、蛇頭や、黒い布でしめやかに飾られていた。喪主らしい男....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「ほほう、そんなに近いか。では、早速に御前へお目通り願おうぞ。そちも早うこの馬弔うておいて、胸のすくところをとっくりと見物せい」 若者に教えられて、御陣屋目....
転機」より 著者:伊藤野枝
方にも此方にも、蘆間の水たまりや小高く盛り上げた土の上に、二つ三つと残っている。弔う人もない墓としか思われないような、その墓石の傍まで、土手からわざわざつけたか....
置土産」より 著者:国木田独歩
受け取りました吉さんへはわたしからお礼をいいます、どうかそれで吉さんの後を立派に弔うてください、あらためてわたしからお頼みしますから。』 (明治三十三年九月作)....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
ちて落ちるまでは、決してここを離れませぬ。」と、彼は誓った。 両親や妹の菩提を弔うだけならば、必ずしもここに留まるにも及ばないが、悲しむべく怖るべきはかの髑髏....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
。そこで、足軽は新しい碑を建立し、なにがしの法事料を寺に納めて無縁のお七の菩提を弔うことにしたのである。いかなる因縁で、お七がかの足軽に法事を頼んだのか、それは....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
調の音楽と、短嬰ヘ調の音楽とが入ります。尚その他いろいろの楽器、例えば死せる人を弔う鐘、遂げられざる恋の憂いを洩らす憐のバイオリン、悪魔の誘惑を意味する銀の竪琴....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
悲痛なる祭文を読んだ。丁度風交りの雨がドシャドシャ降った日で、一代の皮肉家緑雨を弔うには極めて相応しい意地の悪い天気であった。 緑雨の全盛期は『国会新聞』時代....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
こういう風になって果てるか知らんと思うと、幾許か先に死んだ人の事を想い出して後を弔う心も起りました。 その山を踰えてけれどもこれは略します。とにかく険しい山路....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
へ画かれている。 「生産者を解放せよ」「我らは生存権を要求す」「我らは煤煙文明を弔う」「煙筒を葬れ」「死線を越えて」「資本主義を葬れ」などいうのがその主なるもの....