引きちぎる[語句情報] » 引きちぎる

「引きちぎる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引きちぎるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪の宿」より 著者:里村欣三
も嘗めかねないほど、嫌に曲がりたがる酔どれの首筋から両手一杯に、二人の洋服の襟を引きちぎる程引きずり出していた。 「お帰りなさいな」 小娘はそう云っているに違....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
揉《も》まれ揉まれてお角の帯は解けた、上着は辷《すべ》り落ちる、それを引っぱる、引きちぎる。真白な肉《ししむら》。お角はその覚悟で、下には軽業の娘の着る刺繍《ぬ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ぐっと、内へ折り曲げると共に、庄吉の手首から、頭の中まで、血の管、筋骨を、一時に引きちぎるような痛みが、走った。 (手首が折れる) と、感じ (商売が、できな....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
かった。これには十三世もはなはだ焦慮の体《てい》であったが、何を思ったか今度は、引きちぎるようにチョッキの釦《ボタン》をはずして胸を押しひろげるとワイシャツの胸....
」より 著者:カフカフランツ
と雪とがつづき、人気はさっぱりなかった。――とうとうこのしつっこい通りから身体を引きちぎるようにして離れ、狭い小路へと入っていった。そこは雪がいよいよ深く、沈ん....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
みの方へ引き込まれると、 救って遣るのがむずかしいのです。 意欲の鎖を自分の力で引きちぎることが 誰に出来ましょう。 斜に、平な床を踏む足は どんなにか早く滑る....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
受けたいのか」 前の者が、大機の胸を衝く。また、左右から利き腕をつかむ。編笠を引きちぎる。――大機はなお、 「何。成敗する? ……よかろう、汝らの手で成敗でき....