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引き取る
「引き取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引き取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
いじ》の弱い葉子の父だけは孫のかわいさからそっと赤ん坊を葉子の乳母《うば》の家に
引き取るようにしてやった。そしてそのみじめな赤ん坊は乳母の手一つに育てられて定子....
「或る女」より 著者:有島武郎
もかみしめてもとめる事ができなかった。葉子はそうしたまま倉地の胸で息気《いき》を
引き取る事ができたらと思った。それとも自分のなめているような魂のもだえの中に倉地....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
いので、寸暇のない処を、近ごろかの尾上家に頼まれて、橘之助の病蓐に附添って、息を
引き取るまで世話をしたが、多分の礼も手に入るる、山そだちは山とか、ちと看病|疲も....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
のじゃ」と、親方は泣いて六三郎の死骸を引き取ろうとしたが、時の法律によって直ぐに
引き取ることを許されなかった。心中したお園と六三郎との死骸は、千日寺のうしろにあ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
って再びかの化け物屋敷へ行った。そこへ置いて来たわたしの物と、死んだ犬の亡骸とを
引き取るためであったが、今度は別になんの邪魔もなかった。ただその階段を昇り降りす....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
し慌てたように打ち消した。「しかしまあその葬式は無事に済んで、会葬者は思い思いに
引き取る。抱え主の家でもその晩だけは商売を休んで、仏壇にお燈明や線香を供えていた....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
様がない。彼女は即日に暇を出された。 何分にもこんな形になってしまっては、誰も
引き取る者もないので、彼女は遂に乞食の群れに落ちて死んだ。 鬼に追わる ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
役人もその裁判に困って、先夫から現在の主人に相当の値いを支払った上で、自分の妻を
引き取るがよかろうと言い聞かせたが、耿の方が承知しない。いったん買い取った以上は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
冷水《みず》を浴びせられたように悚然《ぞっ》とした。それから若旦那がいよいよ息を
引き取るまで二日二晩の間、わたしはどんなに怖い思いをしたろう。若旦那の枕もとへ行....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この血暈のある奴が三、四枚ぐらい混っていますから、こっちもそのつもりで平均の値で
引き取るんですが、どうしても仕上げて見なければ、その血暈が見付からないんだから困....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
談もないというは、こちらの志を無にしたような致され方、それではわたくしもおめおめ
引き取るわけにはまいりませぬ。娘御をここへ呼び出して、わたくしと三つ鼎であらため....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「伝介はお留が吉原にいた頃からの馴染《なじみ》で、年《ねん》があけても自分の方へ
引き取るほどの力もないので、相談ずくで徳蔵の家《うち》へ転げ込ませて、自分もそこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのはその木像で、かりにも弁天様と名の付くものをどうすることも出来ない。さりとて
引き取る者もないので、とうとう評議の上で川へ流すことになりました。それが流れて行....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りの金がいるので、豊吉は抱え主にたのんで先ず半金の十五両を入れて、女を自分の方へ
引き取ることにした。のこる半金の十五両は去年の大晦日までに渡す約束であったが、と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
子を生んだのです。すると、主人の家には子供がないので、本妻も承知のうえで其の子を
引き取るということになったが、おはまは親子の情でどうしても其の子を先方へ渡したく....