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引き合い
「引き合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引き合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
のではない、ということだ。それなら、なぜクロポトキンやマルクスや露国の革命をまで
引き合いに出して物をいうかとの詰問もあろうけれども、それは僕自身の気持ちからいう....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
聴きつけては、急いで出て来て、子供をしかり飛ばす。そんな時には「お父さん」の名が
引き合いに出されるが、僕自身の不平があったり、苦痛があったり、寂しみを感じていた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》して吟味をうける。兇状が決まって江戸じゅうを引き廻しになる。吟味中もいろいろの
引き合いでこちらが御迷惑をなさるでしょうし、第一ここのお店から引き廻しの科人が出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃん。お前さん、よくもあたしをだましたね。商売上で少し筋の悪い品を買って、飛んだ
引き合いを食いそうになったから、ちっとの間どこかへ姿を隠すんだと云うから、一昨々....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《わけ》のあることも知れてしまったんです。重兵衛は自分の縄張り内ですから辰伊勢に
引き合いを付けるのも気の毒だと思って、早くお暇を出してしまえと内々で教えてやった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた財布を取られたので、おれはそれを調べに来たんだ。おめえも隠し事をして、飛んだ
引き合いを食っちゃあならねえ。知っているだけのことはみんな正直に云ってしまわねえ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
え」 「ねえさんが番屋へあげられた」と、半七も団扇の手をやすめた。「なにかお客の
引き合いじゃあねえか」 「じゃあ、親分さんはまだ御存じないんですか」と、お浪は眼....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「もしその客のどれかが又来たら、きっとおれの所へ知らせてくれ。悪くすると飛んだ
引き合いを食うぞ」 半七は念を押して帰った。それはもうかの潮干狩から半月ばかり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら、何もかも正直に云ってくれねえじゃあ困る。なまじい隠し立てをして、あとで飛んだ
引き合いを食うようなことがあると、却って店の為にもならねえ」 「はい、はい、ごも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であった。この時代に十両以上の損は大きい。喜右衛門は蒼くなった。 「訴え出れば、
引き合いが面倒だ。泣き寝入りするのもくやしい」 かれは帰る途中でいろいろに思案....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
までが飛んだ係り合いになるのを恐れたからです。今でもそうですが、昔の人間はひどく
引き合いということを忌がりましたからね」 「長助をなぐったのは誰ですか。辰公じゃ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
と、その大|※の頂上が、全く鼻翼の裾に没れてしまって、そこと鼻筋の形とが、異様に
引き合い対照を求めて来る。それがまた、得も云われぬ嘲笑的な図形であって、まさにお....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
きにぶん擲ぐる。ですからその警護僧を見ますと互いに警戒して、「おい来たぞ」と袖を
引き合い、眼と眼で知らすという訳。それでもどうかすると知らずに居る時にふいと出て....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て肩荷を重くした。それを緩めようとして、思量を植物に転じた。石蒜のことから鴎外を
引き合いに出した。そして放肆な考察はいつしか鴎外の文学の芸術性にまで及んだ。鶴見....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
ても、冤罪《えんざい》の人を作ってはならぬという考えでした。よく裁判の話の時に、
引き合いになる格言ですが、「たとい九人の有罪者を逸するとも、一人の冤罪者《えんざ....